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727 エリクソンが世界最小のLTE端末をデモ、対モバイルWiMAXで自信を見せる

モバイルWiMAXとかLTE(Super3G/3.9世代)とかの話題の記事です。


◆(現在のところ)世界最小のLTE端末をデモ

LTE陣営の重鎮のエリクソンが、世界最小のLTE端末をデモしたそうです。

Mobile World Congress 2008 - Ericssonが世界最小のLTE端末をデモ、対WiMAXで自信をみせる
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/02/21/ericsson/

世界最小とは言ってもまだ割とデカイようです(電話機サイズではないようなので)。しかし、このサイズでは一切商売にならないかというと決してそんな事は無いので、もう商品になっているともいえるでしょう。GSMやW-CDMAにも対応しているようですから。

この装置のスペックは、上下ともに25Mbpsとなっています(MIMOなし)。そして、実効速度は9メガだったと記事にあります。25と9では随分と差があるように思われるかもしれませんが、最近の通信方式は理論値どおりの速度などでませんから、まあそんなもんでしょう。

スペック上の速度は(現時点では)そんなに気にすることでは無いとブログで何回か書いていますので、それを読んだ人ならば別に特別な感想はもたないと思います。ただ、160Mbpsを真に受けていた人とか、モバイルWiMAXなら70Mbps出るからモバイルWiMAXの圧勝だ、とか思った人が居ないかちょっと心配でもあります。

また「MIMOを利用すれば速度は上がる」とありますが、携帯端末ですからそもそも対応自体が難しいでしょう。これはモバイルWiMAXや次世代PHSでも同様のはずです。ただし、「競争の第二ステージ以降」ではMIMOの実用化競争が起こるかも知れません。ですが現在はサービスイン自体を競っている時期です。

デモした意義としては、モバイルWiMAXの方が先行しているイメージがあるけれど、LTEだって実用的なサイズでもう動いているよ、というデモですね。差がなくなってきている(あるいはモバイルWiMAXのケツが燃え出した)と言いたいのでしょう。


◆イーモバイルのようなプレゼン

記事によるとADSLとHSDPA(HSPA)との比較を行っていて、もはやHSDPAの方が高速であるというちょっとむりぽな比較が行われています。まず、ADSLの速度が純粋に過少に見積もられているなと思えることと、容量の点を無視しているところが気になります(私がかなり昔に書いた例の記事で言っていることです)。

エリクソンがまさか容量のことを理解していないとは思えませんから、まあなんというか聴衆のレベルが低いという前提でのプレゼンだったのかもしれません。

脱線になりますが、この記事はバルセロナでの携帯関係者大集合大会の記事なのですが、そこで孫社長は「無線は固定回線に比べて圧倒的に容量が少ないので」というようなことを言っていたそうです。孫社長の方が頭の良いことを言っていたことになります。
ADSLを凌駕したというような発表もなされる中(つまり聴衆にはこれで感心する人もいるということ)、孫社長は大事なポイントをちゃんと解っているということを示した事になります。手法は感心できない人ですが、侮れない人です。


◆モバイルWiMAXに対する有利さを強調

残りの部分はエリクソンのお決まりの内容の「モバイルWiMAXよりも有利である」というものです。

まず、「GSM→W-CDMA→HSPA→LTE」のアップグレードを行える仕組みが出来ているので有利である事、そしてLTEを待たずともHSPAもどんどん高速化することを説明しています。

HSPAも100メガ超えする計画になっているとの発表ですが、これもLTEの数値上のスペックと同じく、ユーザの体感速度と比べるとかなり怪しげな数値です。また、既存のHSDPAの基地局がそのまま/あるいはちょっと改修するだけで超高速になるということはないので、これらの数値も額面どおりには受け取ってはいけない数字です。

ただし例えLTEがコケても、W-CDMA陣営にはHSPAの高速化で時間稼ぎをする方法もあるということにはなりましょう。

また、アメリカでCDMA2000陣営からLTEに寝返ったベライゾンのLTE基地局もエリクソンが担当する事になったとの発表もなされています。またもや、CDMA2000陣営に揺さぶりをかけていたようです。

参考:
エリクソン曰く、「KDDIもLTE陣営に来ませんか?」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/766_kddilte_9aab.html
迷子のCDMA2000陣営(含むKDDI/au)
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/765_cdma2000kdd_339e.html

LTEといえばドコモもLTE陣営の中核です。しかしドコモは表面上は静かです。電話会社なので海外にモノを売ったりすることが無かったり、おとなしくしていないと孫社長がまた何か言い出すとか、そもそも内弁慶(国内弁慶)だとかいろんな理由はあると思いますが、内心はエリクソンと同じような事を思っているに違いありません。

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コメント

LTE、WiMAX、次世代PHSの三国志は序章段階から混沌としてきましたね。


ところで、上記三国にADSLやFTTHまで含めた競争にまた新たな伏兵を加える必要があるかもしれません。
http://www.jaxa.jp/projects/sat/winds/index_j.html

・超小型アンテナ(CS受信アンテナとほぼ同じ程度)を設置することにより、最大155Mbpsの受信及び6Mbpsの送信
・企業等においては直径5メートル級のアンテナを設置することにより最大1.2Gbpsの超高速双方向通信

これがホンマだった場合、「デジタル・ディバイド解消」っていう目的には圧倒的な導入しやすさがあると思います。
(有線敷設、アンテナ用地交渉)

僻地は受信アンテナを立て、地上へは3G・PHS・無線LAN等で電波飛ばしては?

投稿: TT | 2008/02/25 16:02

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