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725 ネクスト争奪戦:2.0Ghz帯で候補になる通信方式が決定、千本社長がLTE(TDD)を提案している件

前からの話題の続きの記事を書きたいと思います。

なんだかよく解らない人は、2007年末から2008年一月?二月くらいまでの記事を読んで頂ければ流れはわかると思います。わかれば割と面白い話。


◆まず簡単におさらい

2007年末の決着した「2.5Ghz争奪戦」では、まあいろんな騒動がありましたが、結局のところKDDIのモバイルWiMAXとウィルコムの次世代PHSへの割り当てということで決着しました。

2.0Ghz帯は次に割り当てられる帯域です。本来は2005年にイーモバイルなどとともにアイピーモバイルというところに割り当てられたのですが、サービスインに失敗してしまって2007年末に返上され、再割り当て待ちになっています。

本来割り当て作業はまだ先でも不思議ではなかったのですが、2.5Ghz帯争奪戦の後半戦でソフトバンク方面の人や千本社長が「ウィルコムは2.0Ghz帯に出てゆけ」とか「2.0Ghz対も併せて割り当てを考え直すべきだ」と騒いだために2.0Ghz帯に妙に注目が集中してしまいまして、そのためか妙に作業が早くなっています。

2.0Ghz帯は2.5Ghz帯よりも周波数が低いために2.5Ghz帯よりは取り扱いはよさそうなのですが、どの方式で利用すべきの判断が今ひとつ明らかではなくなっており(以前の記事に書いたとおり)おりました。そして、現在、国の作業は「2.0Ghz帯で利用を検討する技術の候補を受け付ける」の作業中でした。そして、それが終わったというニュースがありました。


◆方式の提案受け付け終わる

アイピーモバイルの割り当ての際にはTD系のCDMAのみが候補でしたが(そのためウィルコムは2005年には門前払いを受けたのでした、この悲劇も過去の記事に書きました)、今回はいろんな方式に門戸を開く事になりました。そして、「どんな方式で使いたいですか」という意見を募っていました。

アイピーモバイル跡地で高度化3G? イー・アクセスなどが技術提案
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080225/294643/

今回追加で要望が出ているのは(注意:まだ決定ではない点に注意)
提案者:方式
・インテル:モバイルWiMAX
・クアルコム:IEEE 802.20 Wideband(クアルコムな802.20)
・京セラ:IEEE 802.20 625k-MC(京セラのiBurstな802.20)
・京セラ:次世代PHS
・イーモバイル:LTE(TDD)
・クアルコム:UMB(TDD)
となっています。

驚くべき事は千本社長がLTE(TDD)を提案していることです。このブログでちょっと前に半分ネタとして「2.0GhzでTDDなLTEがサービスインできるかもしれません」という記事を書きました。話題としては面白いので記事にしましたが、候補として考えると色々問題点があります(記事にも書いたとおりです)。
まさか千本社長、このブログの記事を読んで提案した?なんてことはないと思うのですが、まさか本当に候補に出てくるとは・・。

イーモバイルがLTE(TDD)を提案したというのは、実は他社にとっては結構面倒な事に思えます。下手すると今後はこれが原因で割り当てが大荒れになってしまうかもしれません。次の記事あたりでこの話題を書きたいと思っています。


◆提案されている全方式について簡単に復習

以前からずっと読んでいる人には二回目になってしまうかもしれませんが、整理もかねて、提案されているものを一度整理しておきます。(注意:提案で決定ではない事に注意)

・TD-CDMA
2005年に候補だったもので、アイピーモバイルが採用したものです。日米の研究者やベンチャーが考えているいろんな技術を差します。ちなみに、イーモバイルやソフトバンクも最初はTD-CDMA系でテストを行っていました。(少なくとも当時は)未来性もある技術ではありました。もともとこの帯域はTD-CDMAのために用意されていたわけですし、再チャレンジすれば成功すると思えるならばどうぞ。

・TD-SCDMA
中国が国策でサービスインする寸前の「第三の第三世代方式」です。
ポイントは中国(超巨大市場)でともかくもサービスインすることです。大陸向けに基地局が量産され、端末も量産されます。意外にも、今回の候補のなかでもしかすると唯一大きなマーケットの存在が保証されている方式ともいえます。
他国では普及しないとも言われているTD-SCDMAですが、もし日本でサービスインすることになったら中国政府はものすごく喜ぶことになるはずです。そういう打算での採用はありかもしれません。

・モバイルWiMAX
このブログで散々記事にしているモバイルWiMAXです。良い点も悪い点もまさしくこれまで延々書いたとおりです。
加えて2.0Ghz帯では問題が二つあります。モバイルWiMAXの性能をフルに出すには不十分だとされる15Mhz幅しか無い事と、他国のモバイルWiMAXでは採用例のない2.0Ghz帯だということです(機器が独自になるかもしれない)。
しかし、腐ってもモバイルWiMAXではありますし、有力候補ではあるでしょう。またモバイルでの利用を諦めての採用ならば案外と悪くはないかもしれません。

・IEEE 802.20 Wideband(クアルコムな802.20)
クアルコム様ご自慢の最新鋭技術です。性能は良好とされます。問題は、クアルコム様とのお付き合いは通常ものすごくお金がかかることと、他での採用実績がまるで無いことです。性能で圧倒する作戦ならば検討すべき選択肢かもしれません。

・IEEE 802.20 625k-MC(京セラのiBurstな802.20)
iBurstをベースにした802.20です。次世代感は一番弱い候補です。しかし、「既にサービスイン実績がある」と言う点では突出しています。国外で既にサービスが行われており、2.0Ghz帯でも試験サービスを行った事があるため、すぐに基地局を買ってサービスインをする事が出来ます。サービスインに失敗する可能性が最も低い選択肢ではないかと思われます。

・次世代PHS
ウィルコムが社運を賭けて準備中の次世代PHSです。ウィルコムはもともと2005年に2.0Ghz帯へ次世代PHSでの参入を希望していましたから、2.0Ghz帯用の次世代PHSを用意する事は可能ではないかと思われます。
ウィルコムが採用は既に決定済みで、東アジアのPHS事業者の次世代PHSの採用の可能性もあります(他の技術に乗り換えにくいためです)。また、「当面はウィルコムにMVNOしつつ」自分の2.0Ghz帯次世代PHSを展開する」という裏技を使う事も出来るかもしれません。

・LTE(TDD)
次世代の大本命のLTE(Super3G/3.9世代)です。しかし、注意すべき点は、いわゆる通常のLTEではなくて、TDDモードのLTEという「亜種」だという点です(過去の記事参照)。下手すると「日本の2.0Ghz帯でしか使われて無い方式」となる可能性もあります。
ドコモのLTEは2010年サービスイン予定になっていますが、それよりは後になるように思います。下手すると2012年以降になるかもしれません。また、ドコモのLTEがドカーンと出てきた状態で亜種が遅れてサービスインする事になります。場合によっては不味いです。

・UMB(TDD)
クアルコムの3.9世代がUMBで、本来ならCDMA2000陣営の後継技術に採用されているべきUMBですが、今のところ採用を決定したところはなく、LTEに押されっぱなしです。そんなUMBをTDDにしたものです。

・今回候補にならなかったが:KDDIのRevB帯域
2.0Ghz帯の一番美しい使い方は、KDDIがEV-DO Rev.B用帯域として用いる方法に思えます。しかし、2.5Ghz帯のしかも30Mhz幅を取った直後ではさすがに難しいようです。

こんなもんでしょうか。あちこち間違っていると思いますがお許しください。

一通り書きました、恐らく続きの記事をすぐに書きます。

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