772 2.5Ghzシリーズ:KDDIの今後の展開
さて、続きを書きます。
一度記事を書いて投稿ボタンを押したところ、なぜかログイン画面に遷移してしまって、一度書いた記事が綺麗さっぱり消えてしまう事件が発生しておりました。
ココログは恐ろしい。
◆派手な事は無さそうだ
KDDIは晴れてモバイルWiMAXのための2.5Ghz帯域を獲得することができました。
日本で一番熱心だったと(私には)思えるKDDI陣営ですから、宿願かなったりというところでしょう。
モバイルWiMAXは夢のような技術であるという事を言う人が居ますが、私にはどうにもそれは怪しくも思えます(しかし、最終的にモバイルWiMAXが素敵な技術になる可能性も否定しませんが)。ということはこれまで何度も書きました。
そのように思っている理由としては、まず一つ、日本でモバイルWiMAXに入れ込んでいるKDDIが慎重な発言をしていたためです。元記事をどこに控えていたかは忘れてしまったのですが、
・モバイルWiMAXと携帯電話は違う種類のサービスであって競合するものではないというような発言。
・モバイルWiMAXは3G携帯に補完的に使うものであるというような発言。
・また、実際のところモバイルWiMAXとCDMA2000をハンドオーバーさせるという手間のかかる事をしようとしていること。
今回の帯域の取り合いにおいても、KDDIは調子の良い事をあまり言わなかったように思いました。
また改めてきちんと書きたいと思いますが、私はモバイルWiMAXが現状順調に仕上がっているということを示唆する情報を知りません。一方で不安材料は沢山知っています。「数の力でそのうち何とかなるかもしれない」というような話はよく聞きますが、それは私も最初から考慮しています。
もし、「大丈夫だ」という根拠があるのであれば、私はすぐに認識を改めたいと思っている次第です。
◆地味な展開を予想
以下は全然自信が無いと名言しておきますが、以上の事から、現状から技術的な大きな変化が無い限り、KDDIのモバイルWiMAXサービスインは当面は地味な感じになるのではないかなあと思っています。
まず、モバイルWiMAX自体がそれほど高い能力を持っていない(携帯電話の技術のような)ようであること、そして、モバイルWiMAXが将来において改良されることが予想される以上、現状の技術で前倒しに展開しても二重投資になる可能性があること。
またLTEなどの動向によっては、モバイルWiMAXはあまり儲からなくなってしまう可能性もありますし、KDDIが従来の携帯技術を捨ててモバイルWiMAXを主軸で事業展開する決意をしている可能性は今のところ高くないでしょうから、不必要に必死になったりはしないでしょう。
これもまたのちほど書こうかと思いますが、KDDIはモバイルWiMAX自体を止めてしまう、あるいは事実上止めてしまう可能性もあると思われますので、LTE(やUMB)がどの程度の存在なのかが判明するまでは、あまり過剰に入れ込むことは避けるであろうと思います。
そもそも最初から携帯電話とは別カテゴリですよ、と言っているのですから、同水準のサービスを提供することも無いということもあります。
ちょっと圏外が目立つかもねえ、というようなデータ通信サービスと、(AUの)携帯電話の補助ブースター的な役割なんじゃないだろうかと思う次第です。ソフトバンクの松本副社長の発言も「補助ブースター」として使うよう状況を示唆するような話でしたしね。
世間的には結構つまらないなという感じでしょうけれど、これでも「モバイルWiMAXってもうダメかと思っていたけれど、意外とそうではないんだな」という世界の評価はいただけるだろうと思います。
一方で事態が思っていたよりもかなり悪く展開したと考えた場合には、それは残念な感じになるでしょう。
総務省との約束でエリア展開については義務がありますから、完全に塩漬けにしてしまうことは無いと思いますが、塩漬けっぽいことになるかもしれません。あー、これはダメだなと他陣営も思ってしまった場合なんかは、
世間の公認の黙認で技術改良待ちの塩漬けみたいな変な事もあるのではないかなと思います(そういう状況はあまり想像できなかったりしますが)。
あるいは、技術的なところが原因で厳しい状況になってしまった場合に他陣営が、技術的問題で発生している事をKDDIの怠慢で発生している問題であると言い換えて嫌がらせをするような事もあるかもしれないとか思います。
◆次の流行はLTEブームで、その時KDDIは
次はLTEの話題が不必要に加熱するかなと思います。LTEが表の話題に出てくる時期はいつになるかわかりませんが。その時までにモバイルWiMAXが化けている場合を除き、モバイルWiMAXは割と静かな話題になっているのでは無いかなと思います。
帯域の取り合いの話としては、質の良い700/900Mhz帯域の話とセットになっての登場になるでしょうから、それは今回の比ではない大騒動になる事でしょう。モバイルWiMAXがその時までに現在と同じ話題性を維持できていればそれは大したものですが、まあそれは難しいでしょう。
何より、その時にはKDDI自身もその新しい話題・新しい技術・新しい帯域の話題の主のはずです。
◆他陣営だったら・・は当たっているかも
計画上は結構迅速なエリア展開ということになっていますから、とりあえずのエリア展開の感じはそうなると思います。しかし、どこかしら全力で無い感じといいましょうか「寝たふり」みたいなことはあるんじゃないかなと思ったりします。まあ、もともと現在のKDDIの計画自体、コンパクトな計画にしようと努力しているように見えますし。
他陣営だったらフルテンションのエリア展開やサービス展開が期待できたはずだ、と信じている人がいるならば、それはそうかもしれないと思います。
しかし、フルテンションで大炎上という可能性もあるということになります。観察する分にはその方が派手で楽しいと思いますが(ブログでも話題にしやすい・・・)、利用者はたまったものではないでしょう。
良く言えばKDDIはローリスクローリターン、ということになりましょうか。
#ただ、モバイルWiMAXが化けた場合にはこの限りではないのですが
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