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771 2.5Ghzシリーズ:アイピーモバイルで失われたウィルコムの二年

さらに続きです。

以前書きましたように、2.5Ghzの結果が出るまで記事の投稿を抑制しておりまして、その分を一度に書くことになっています。
ここしばらくの更新は読む人にとって慌ただしいのではないかと真面目に心配しております。


◆ウィルコム帯域獲得

ウィルコムは無事に帯域を獲得しました。

帯域が取れないことはあまり無いだろうと考えていたのですが、むしろ、他の事でいろいろ考えていたことがありました。しかし、記事に書きにくいということで本日まで封印しておりまして、それについてそろそろ書き始めてみたいと思います。

2.5Ghz割り当て決定前に書くと確実に話題的にややこしくなったであろう2.0Ghz割り当ての振り返りと、そして引き続いてこれまで書くのをためらっていたことを書こうと思います(別の記事になるかもしれません)。


◆アイピーモバイルに割り当てられた2.0Ghz

ウィルコムは一度2.0Ghzで応募して落とされています。

簡単に振り返りますと、2.0GhzのTD-CDMA帯域割り当ての時にウィルコムも手を挙げたのですが、総務省は門前払いをしてしまいまして、アイピーモバイルに割り当てられたものの、全くもってサービスインできずに2007年末に免許返上となるということがありました。

TD-CDMAは、新規参入をしようとしていたソフトバンクやイーモバイルが一時検討していた事もあったようで、話題としては盛り上がった技術でもあったのですが、結局のところは(おそらく賢明にも)W-CDMAでの参入ということになり、しかもソフトバンクについては新規参入すら止めてしまいました。

結局、(TD-CDMA系では)アイピーモバイルしか手を挙げず、ウィルコムが次世代PHSで割り当てて欲しいと手を挙げただけでした。

総務省は、TD-CDMAないしはTD-SCDMAに割り当てる帯域なのだから、TDDだけれどウィルコムは募集できません、として門前払いをかけてしまいました。ウィルコムがもらえるとしたら、アイピーモバイルが不合格で再募集となった場合だけでしたが、帯域はアイピーモバイルに割り当てられてしまいました。
そしてご存知のとおり、アイピーモバイルはほとんど何一つできずに免許返上をする事になりました。割り当ては失敗でした。

ウィルコムが孫社長のような感じだったなら、2.0Ghz割り当てでウィルコムを門前払いして良くわからない会社に割り当てて失敗を招いたことを繰り返し繰り返し演説し、我々は被害者であると騒動を起こしていたに違いありません。


◆ウィルコムに(前回の割り当てて)2.0Ghzが割り当てられていたら

もし、ウィルコムに2.0Ghzが割り当てられていたらどうなっていたでしょうか。一応混乱が内容に書いておきますと、今回の孫社長や千本社長の言い分が通って2.0Ghzが割り当てられたということではなく、前回の割り当ててアイピーモバイルに割り当てがなされずに、ウィルコムに割り当てがなされていた場合の想像です。

まず、少なくとも次世代PHSはとっくにサービスインしている事が予想されます。

実際には、2005年11月に1.7Ghzにイーモバイルとソフトバンクへの新規割り当て、2.0Ghzでアイピーモバイルへの割り当てがありました。その後、ソフトバンクはボーダフォン日本買収を経て帯域返上、アイピーモバイルはサービスインできずに免許返上となっていますが、もしウィルコムに割り当てられていたら、

平行世界の2008年正月
・1.7Ghz:イーモバイル(サービス提供中)
・1.7Ghz:ソフトバンク(返上)
・2.0Ghz:ウィルコム(次世代PHSをサービス提供中)

となっていたはずです。

そして、今回の2.5Ghzの割り当てでも変化が生じえます。ウィルコムが再度手を挙げていた可能性もありますが、どちらにせよウィルコムが再度当選している可能性は下がっていたでしょう。ですから、

平行世界の2008年正月
・1.7Ghz:イーモバイル(サービス提供中)
・1.7Ghz:ソフトバンク(返上)
・2.0Ghz:ウィルコム(次世代PHSをサービス提供中)
・2.5Ghz:KDDI
・2.5Ghz:ソフトバンクないしはアッカ

孫社長がアッカ攻撃の末にソフトバンク勝利ということにしておきます。

アイピーモバイルの件で色々なところが割を食っている感じがしてきます。伝聞によると(私自身で確認していないので間違っているかもしれない)孫社長は前回のウィルコムの割り当てに反対していたそうですから、もしそうなら自身の反対意見で自分の首を締めてしまった感じかもしれません。


◆2005年11月に次世代PHSへの割り当てがされていた場合

技術開発に時間がかかってサービスインが遅くなっているような気もしますが、しかし、いくらなんでも2008年正月には次世代PHSはサービスイン済みであると思います。

少なくともすでに東京では次世代PHSが普通に使える状況になっているはずです。もしかしたら、アドエスが次世代PHS対応機として出ていたかもしれません。総務省の割り当てが違っていたら、今年の正月はこれほどまでに違った状況になっていました。

また、次世代PHSが良好な感じでサービスインできていた場合には(という前提に基づきます)、通信技術の勢力図が変わっていたかもしれません。

まず、中国や台湾やタイなどのPHS事業者は、当然日本の次世代PHSの成功を見て、導入を検討することになるでしょう。なにしろ乗り換えは面倒じゃないわけですし。

また、2.5Ghz帯域の募集においても、ウィルコム以外で次世代PHSで手を挙げるところがあったかもしれません。もしかしたらそれは孫社長だったかもしれません。

逆に、次世代PHSが難渋していた場合には、2.5Ghz帯の割り当ての際には、モバイルWiMAX(と802.20とかと)と将来のLTEの話題について気にしていれば良いというわかりやすいことになっていたはずです。

色々な可能性が失われているような気がします。


◆場合によっては致命的な二年間のロスかもしれない

繰り返しますが、もし二年前に割り当てがされていれば、2008年の正月には次世代PHSはサービスインしているはずです。ここ最近における世界的なモバイルWiMAX熱の冷めっぷりが、日本で突然姿を現した次世代PHSへの注目に直結していたかもしれません。

となれば、勢力図が既に根本的に書き換わっているようなことも考えられました。

もちろん、逆にこの二年での次世代PHSの熟成こそが今後の勝利の鍵となったり、2.5Ghz帯であることがとても大事だったりするかもしれませんから、結局よかったのか悪かったのかは解りません。まあ、どちらにせよ「もしも」の話でしかないのすが。

「二年早ければなあ」と、後世に言われるような事にならなければいいと思います。ともかく、今回の割り当てがさらに遅延したりしなかったことは良かった事だと思います。


(続く)

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