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784 新高速化サービスは画像を小さくしているだけではない

というわけで新高速化サービスについて書いてみたいと思います。


◆画像を小さくするだけではないのです。

ウィルコムの高速化サービスは、画像を小さくすること(だけ)で高速化しているのだと思われている事が多いようですが、そういう感じでもないということを書きたいと思います。

実際のところ高速化する原因としては画像サイズを小さくすることによる面が多いのですが、意外とそれだけではありません。

(非常にいいかげんですが)表示を快適にするためには大まかにいって、転送サイズを小さくする事、転送をスムーズにする事、表示処理をスムーズにする事があるということにします。

転送サイズを小さくする:

まず、画像サイズを小さくすると転送サイズが小さくなり、それによって高速化します。場合によっては画質を大きく落とさずにサイズを小さくする事も出来ます。この場合の極端な例としては、画像をOFFにすると快適にブラウズできるという状態がそうかもしれません。

それ以外にはHTMLのファイルを小さくするということもありえます。例えば、HTMLソースのコメント部分を削除する、不必要なタグを削除するなどです。

また、HTMLを圧縮して転送することもサイズを小さくする方法のひとつです。

前二者については、90年代のインターネット、つまり多くの人がアナログモデムでダイアルアップ接続をしていた時代のウェブ作成のテクニックとして知られていたものに似ています。多くの人が今のウィルコムと同じような通信速度でしかネット接続できなかった時代です。

まずHTMLから余計なものを除去してコンパクトにする方法を、容量節約に用いる方法がありました。簡単ウェブ作成ソフトウェアで作ったHTMLはソースを見てみると無駄なタグだらけで、これを(大抵手作業で)すっきりさせて"快適にしました"というようなことをやっている人(請け負っている人)は当時結構居ました。
#あるいは、そうやってHTMLの知識をひけらかしている人も多かったような気もしますが

次に画像ですが、画像をむやみに使わないようにするということは当然行われていましたが(繰り返しますがアナログモデムの時代ですから)、高い画質を保ったまま画像ファイルのサイズを出来るだけ小さくするという工夫も行われていました。
もうAdobeに買収されてなくなってしまいましたが、MacromediaのFireworksというウェブ向けの画像処理ソフトウェアがあり、これでは素材画像を作った後に、プレビューしながら画質を損なわないようにしつつ小さいサイズの画像ファイルを出力できてよろしいということで使われていました。ウェブサイトをFireworksで作り直すと半分以下のサイズになってしまったりしました。
回線が高速化した今となっては、画像は無配慮にぽんぽん使われていますが。

このあたりについては比較的わかりやすい高速化手法でもあります。


転送をスムーズにする:

実のところ、ウェブサイトを見る際に使われている通信の方法(TCP/IP)は、あまりモバイルでの利用に向いていない方式なのです。
#いい加減な表現ですが

一度ややこしい事を書き始めてから全部消してしまいましたが(SACKとか)、要するに、
・データがエラーを起こしたり、パケットが届かなかったりする事が良くある
・無線部分での遅延が大きい
ということが地上回線と大きく異なるのでデータ転送の仕組みが一部うまく働かないのです。

エラーになるたびに転送のやり直しをすることになったり、途中で無くなってしまったパケットが原因で通信が滞ってしまったりします。

また、遅延が大きい点については「エラーが発生するわけでもないから問題ないのではないか?」と思われるかもしれませんが、これが速度が出ない原因になります。
最初、低速で通信を開始し、相手から「データを受け取ったよ」というメッセージが戻ってくるのにあわせてデータをどんどん(速度を上げて)送ってゆく方法で速度調整をしているのですが、遅延が大きいと「データを受け取ったよ」という返事が戻ってくるのが遅くなるため、まるでデータ通信に実際以上に時間がかかったかのような事になり、通信速度が実際以上に遅いかのように取り扱われてしまって速度が出なくなるのです。

噂で聞いた話ですが、FOMAは384K出るはずなのですが、実際に作って試してみると、この現象のために体感上は64Kとでもいえるような状況になってしまって困ったという話しを聞いた事があります。

そこでウィルコムでは、原因は固定回線用の通信方法(TCP/IP)をそのまま用いることですから、これをモバイル用に設計された「別の通信方法」でバイパスする方法で対策するということを以前から行っています。パソコン用の高速化サービスは画像の圧縮だけではなく、これも行っています。

そして今回の端末用の新高速化サービスは、端末用でありながらこの高速化の方法を取り入れているようです。ファームアップが必要だったのはこのためだと思われます。

貧相な図で説明すると、

従来:
[電話機] --- 無線部分(TCP/IP) --- [基地局] --- ネット(TCP/IP)

だったのですが、これを

新しい高速化:
[電話機] === 無線部分(別の方式) === [基地局] ===(別の方式)=== [高速化サーバ] --- ネット(TCP/IP)

としているということです。

これまでの高速化は上の図で言うと「従来」の範囲内での高速化でした。つまり言い換えれば、Operaブラウザが通常のTCP/IPでの通信を行える範囲での高速化でした。

今回の高速化は、電話機のブラウザに専用のモジュールを追加する形で、モバイルでの利用に適した方法で無線部分は通信するように改良されていると思われます、


表示処理をスムーズにする:

最終的にはブラウザでの表示がどうなるかが快適さの鍵だということです。

たとえば、電話機のフルブラウザは回線速度を極端に上げても大して快適にならなかったりします。それはなぜかというとブラウザ側の処理が間に合わないからです。
データを受け取った後処理し、さらに必要なデータを要求して表示する端末上の処理が遅ければ、回線速度ではなくてそこが遅さの原因になるということです。そして、ウェブブラウザは重いアプリケーションなので、電話機ではまだ十分に高速に動作しません。
例えば、ウィルコム端末をPC接続してパソコンのブラウザで表示した場合には、端末よりも相当に快適です。これはつまり、回線速度をブラウザが使い切れていないということです。

また、HTMLの書き方が表示を遅くする事もあります。たとえばページ全体がTableタグで囲まれているようなページの場合、Tableタグの部分が全部読み込まれるまでは何も表示されなかったりします。そのようにしていなければ、読み込みにしたがって徐々に表示されてゆくので、人間は読み込み途中で読み始めることができるのですが。
ニュースサイトなどで、端末のフルブラウザで見ると本文の表示が妙に遅いページなんかはもしかするとそうかもしれません。


◆というわけで

今回の高速化は、よく言われているように「画像を小さくしているだけだろ?」というだけではなく、遅延対策がされることで回線の速度が引き出されやすくなっていたり、エラーやパケット行方不明の対策がなされることで、電波が不安定だったりする場合の対策や、移動中の通信のパフォーマンスの改善がなされているのではないかと思われます。

ウィルコムの新しい端末は基本的に新高速化サービスに対応していますから(W-Zero3は実は少し前に対応している)、今後出てくる端末は全て対応するのではないかと思います。
#nineも対応するのかな?WX310Kは・・・無理かな?

ちなみに私は、高速化ONで使っており、画質優先の設定(一番画質が保たれる設定)で使っています。二ヶ月の無料期間は終わって有料になってますが(以前の高速化から使ったままでした)そのまま使っています。

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