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800 スーパーボーナスで携帯を買った人の何かが売り飛ばされる件について+1772億の見えない支出

前回の記事の流れで少し書いてみましょう。


ちょっと前の記事なのですが、

ソフトバンク、携帯販売割賦売掛金を流動化――2000億円規模
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=NN003Y021%2009052007

について書いてみたいと思います。


◆「スーパーボーナス」の「お金取立ての権利」がソフトバンク以外を売却

上記の記事は(おそらく)解り難いように思う人が多いと思うのですが、前後を書き足したりして説明してみたいとおもいます。


まずは前提
・ソフトバンクがスーパーボーナスという、携帯端末を売る際の補助金を「ローン」化する仕組みを作った。
・これまでは、端末を売る際の補助金は単に出費だったが、「ローン」とすることにより、出費と同時にお客への「お金取立て権利」という資産が発生する形になった。
・出費と資産で帳消しになり、端末を「0円」でばら撒きしても、会計上の損失が見た目上発生しなくなった。

私は、しかし結局のところ既存のシステムとあまり差が無いと考えます。短期的には会計上は黒字っぽくなりますが、それだけだと思います。
・既存のシステム:最初に大きな支出があり、そのあと少しづつ戻ってくる
・SBMのシステム:最初に見た目上支出が無く、その後少しづつ支出になる。
#解約して逃げる人の問題については、インセ問題そのものとはちょっと別の問題ですね。

結局、端末の原価を下げるか、端末を手に入れる際の価格を上げるしか無いなずなのです。スーパーボーナスはインセ制度の革命であると言っている人が居ますが、私にはその主張はウソに聞こえます。

参考:「iPod携帯」は「iPod」と「携帯」でした
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/09/841_ipodipod_b38a.html


改めて説明を書いて、そこから今回のニュースにつなげます

発生編
・店頭で「ソフトバンク携帯、持ち帰り0円」と書いてある
・新規で加入すると最初の数ヶ月は出血大サービスであるとか言っている。
・「それ下さい」と言う
・すると、カウンターでなにやら難しい説明が始まり、「同意します」にサインしてくださいと言われる。
・二年くらいは解約や新しい端末を手に入れたら罰金のようなものが発生するぞ、というようなことがかかれた書類にサインする。

つまり無理に比喩をすると、「液晶テレビ0円で持って帰れます!」と書いてあって、確かに0円でもって帰れるけれども、結局(見えない形で)分割払いしているという感じです。


結果編
・結果、携帯端末をローンで購入したような形になった。
・ソフトバンクを契約していれば、ローンの支払いは免除(というか月々の料金支払いから見えない形で引かれる)
・しかし解約したり、ローンの期間内に機種変したり、端末を壊してしまって新しいのに変えなければならない場合には、ローンの支払い義務が顕在化する
・文字通り「ローン」なので、支払いを踏み倒すと文字通り借金取立てのようなことをされる可能性が発生する。

「ローン」という表現はどうかという意見もありましょうが、わかりやすいということで。


そして今回のニュースに繋がります。

・端末を売った後、二種類のものが発生する。一つは端末メーカへの代金支払い、もう一つは顧客から取り立てる権利が発生する。
・代金支払い(支出)と、「顧客から取り立てる権利」が帳簿上帳消しになる
しかし、現金は減ってしまう
・で、新しい仕組みとして、「顧客から取り立てる権利」をソフトバンクが他所に売り飛ばしてしまうことで、現金化してしまおうというのを六月に始めたい、ということをニュースは書いている。

つまり、こういうことですね。
・端末が売れる
・「端末メーカへの代金支払い」と「顧客から取り立てる権利」が発生する(加えて契約を続ける客に対して、代わりににローン返済する義務が発生する)
・「顧客から取り立てる権利」を他所に売り飛ばす事で現金として回収する。
・「端末メーカへの代金支払い」と「現金」が発生する。
#ただし、契約しつづける客に対して代わりにローン返済する義務は残る

つまり、帳簿上(短期的には)マイナスにならない仕組みに加えて、今度から現金も(あまり)減らないようにするということです。
ただし、繰り返し書くように、結局は顧客のローンをソフトバンクが月々変わりに支払う形になるわけですから、短期的にはマイナスが消えますが、最終的には同じ事になります。短期的にお金は出てゆかないが、長期的にじわじわ出てゆくだけです。


先の記事では、ソフトバンクは運転資金(現金)が減って困っているのかな?という予想を書きました。この発表についても、「当面の現金をかき集める」ための作戦に見えます。


また、これは利用者にとっては、
・スーパーボーナスで契約すると、契約した人の「ナニカ」が、ソフトバンク以外に売り飛ばされてしまう
ということでもあります。また後日、場合によっては当人にとってはなんだかよく解らない会社から「お金の取り立てでやってまいりました」ということが発生しうるということです。また私が思うには、取立てを受ける場合には、その「なんだかよく解らない会社」に取立てを行うために必要な情報として、あなたの名前と住所が知らされてしまっているのではないかと思ったりします。


◆ニュースに「隠れ借金」の金額が出ている

このように、スーパーボーナスは隠れ借金のようにも思えてくるわけですが、ニュース中にその金額についての記載があります。

07年3月末で1772億円。

というわけで、スーパーボーナス開始から三月末までの間に1772億円の他のキャリアならば即時に決算をマイナスにする何かが発生しているということになります。

以前の記事でのニュースの引用を引用すると、

ソフトバンクは8日、2007年3月期決算の経常利益が前の期の5.6倍の1534億円だったと発表した。

というわけですが、これにはこの1772億円は入っていない(おおむねは)ということだと思うわけです。私はアホですから、アホの想像なんて知れているわけですが、アホが思うには「ちょっとどうなのよこれ」と思うわけです。あなたはどうでしょうか。


なんでも他社がスーパーボーナスを真似するっていう噂もあるそうですが、よくよく考えて欲しいところです。新規即解約の対策をしたいだけなら、その対策だけをするほうが良いと思います。キャッシュフローについては(特にドコモなんかは余裕有りまくりでしょうから)こんな方法でペダルを踏む必要は無いはずでしょうし。
以前からいろいろ書いていますが、この制度、少なくとも私@利用者からすると気持ち悪いです。


とりあえず私(アホ)としましては、スーパーボーナスを賛美している人(なんか居りはりますな)は、ちょっとくらいはよく考えて欲しいなと思うわけです。

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コメント

こいつ真性のアホだw

簿記とコーポレートファイナンス勉強してから書けよ。
朝から大笑いしたわw

投稿: | 2007/05/31 06:43

難しいことはよくわかりませんが、、、
これも一つの新しいビジネス形態なんですよね。

人は変化に対して、恐怖心が生まれるので、つい批判的なことを考えがちですが、、

でも、見方を変えると、このような新しいビジネスが生まれる今の世の中、
考えればいろいろなビジネスチャンスがあるんだ!
ということですね~

携帯電話とは関係ない話になってしまいましたが、、
別の視点での大きな気づきがありました。

わかりやすく例をあげて、普通の人にもわかりやすく解説してくださって、ありがとうございました!


投稿: OLさん | 2007/06/05 10:17

難しいことはよくわかりませんが、、、
これも一つの新しいビジネス形態なんですよね。

人は変化に対して、恐怖心が生まれるので、つい批判的なことを考えがちですが、、

でも、見方を変えると、このような新しいビジネスが生まれる今の世の中、
考えればいろいろなビジネスチャンスがあるんだ!
ということですね~

携帯電話とは関係ない話になってしまいましたが、、
別の視点での大きな気づきがありました。

わかりやすく例をあげて、普通の人にもわかりやすく解説してくださって、ありがとうございました!


投稿: OLさん | 2007/06/05 10:18

ドコモに関しては株主になるといいですよ。余裕ないのがよくわかります。

投稿: | 2007/06/05 11:19

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