807 イーモバイルの基地局とボーダフォンのグリン社長の意外な関係?
イーモバイルのことを少し書いてみます。
◆エリクソンの基地局→どこそれ?
イーモバイルが東名阪に続いて、近いうちに札幌・仙台・福岡などに基地局の整備を始めるようです。
こういう感じでしょうね。東京のいちばん中心から作業を始めて、東名阪の中心部をカバーした。東名阪の田舎のカバーよりも次に大きい地方都市に手をつけよう、と。
で、ちょっと注目すべきは、基地局のメーカーが変わったことです。
これまではエリクソン製の基地局を使っていました。GSM御三家(ノキア・モトローラ・エリクソン)の一つのエリクソンですね。有名メーカーだからといって良い製品・良いサポートである保証にはなりませんが、とりあえず無難な感じはします。
今回発表されたエリア整備では「Huawei Technologies社」というところの基地局を使うそうです。日本ではなじみの無い名前でございますが、これがなんと中国の会社のようであります。
イーモバイルによると、
・安い
・とても小型軽量なので工事しやすい
ので、ということでプラス要素として発表しています。まあ、大本営発表なのでプラス要素とされているのは自然の理でございます。
◆似た話
・安い
・とても小型軽量なので工事しやすい
どこかで聞いた話だなと思ってしまいました。
ボーダフォンのグリン社長は、予算の無いボーダフォンが一気に第三世代のエリア整備をする秘密兵器として、「エリクソン製の小型基地局」を大量配備し、一気にエリアを広げるという発表をしていた事があります。
ボーダフォンの第三世代が大々的にサービスインする前の話です。
・小型基地局が全国にばら撒かれた
・V801SA等の発売などとともにボーダフォン3Gが大々的にスタート
・そしてスタートしたとたんに大コケした
サービスインした結果は皆さんご存知の酷いものでした。ボーダフォンの第二世代の利用者が、新しい時代到来と思って第三世代に乗り換えてみたところ、「世界で使えて自宅が圏外」がさらにパワーアップしていたというわけでした。
そして現在、孫社長はこの後始末(圏外が多い)をしているというわけです。
今回はメーカーも実績の無い新興メーカーのものになってしまっています。
・実績の無い中国の新興メーカー
・実績の無い小型基地局
・それメインでエリア整備する
加えて、イーモバイルにもあらゆる意味で実績がありません。形式的に見える条件の悪さはグリン社長の判断よりも上に思えます。
念のために書いておきますと、今回も必ずこうなるといっているわけではありません。
◆さてどうなるか
当面の結果を考えてみましょう。
・案外とうまくいった
・まずかった
イーモバイルとしては、コストを押さえた上で「案外とうまくいった」となることを目論んでいるはずでしょう。
しかし、
・まずかった
あるいは
・データ通信だけでは大丈夫に思えたが、音声通話で使ってみるとエリアが激しく圏外だらけであると判明した。
将来的にはこういうことも考えられます
・とにかく故障することがわかった
・アフターサポートが最悪である事がわかった
・新技術に対応するアップグレードを提供してくれない
リスクは沢山思いつく事ができます。
これらが大丈夫なのか検証されたかどうかということ次第になるわけですが。そこで問題になるのは、イーモバイル自身が新規参入で経験値が期待できないということです。
◆イーモバイルはお金が無くて困っている?
これまで書いてきたことを読んで皆さんどう思われたでしょうか。
少なくともエリアカバーの基本となる基地局(補助的ではない基地局)については、通常は鉄板のメーカーであるべきだろうと私は思います。特に日本では、エリアの品質に対する要求が大変高いわけですから。
AUやドコモはこういう点において危険な事は行いません。理由は書くまでもありません。
しかし、イーモバイルはなぜかリスクがあるように見える方法を取りました。リスクがあるように見える、というのは、イーモバイルがこの基地局のリスクについて十分に検討したとして、しかしながらそれでもリスクが残ってしまうことを考えてのリスクです。
こんな事を考えました。
形勢が悪くなって追い詰められた人間が、一発逆転を狙って何かに飛びつき、それによってもっと追い詰められるというような話です。
◆どちらにしても
正直のところ、私にはイーモバイルの判断が正しいのか間違っているのかはよく解りません。もしかすると成功して、国際調達の凄さと中国の技術が侮り難くなった事を思い知らされる例となるかもしれません。
ただし、イーモバイルが「小型軽量な基地局」をわざわざ選んだ事は確かで、またイーモバイルはエリア整備で苦しんでいる(予定より遅れてます)ことはありますので・・
この話から言っても、携帯に比べると相当な小型で済むウィルコムの基地局は、結構なアドバンテージなんだろうな。
ということも思ったりする次第です。
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コメント
まさに素人ですね。
もっと世界の通信業界を見た方がいい。
日本以外の欧米、アジア、米国などでHuaweiの技術の高さががどれだけ認められているか、そしてそのシェアはどれだけの数字か。
Huaweiのことを「実績の無い中国の新興メーカー」
と言った時点で、素人丸出しですよ。
もっと勉強しましょう。
投稿: | 2007/04/30 17:23
おそらく仰っている意味が記事とあっていないのだと思います。
#まあ、仰る通り素人が空いている時間に気分で書いている程度の記事ですが。
実績が無いとは、日本での(長年の)実績と信頼が無い、ということです。
中国の新興巨大企業ですが、日本での実績が無いというそのままの指摘ですが。
投資の対象としてみると、日の出の勢いで成長を続けているメーカなのでしょうが(仰る事はそう言うことだと思います)、日本で命を預ける相手としては実績が鉄板だとは言えないという事になりましょうか。能力の問題というよりも、日本での確実性の問題です。
「リスクを取る」というのは失敗すれば困るけれども、成功したら良い事があるという事でもあります。私にはHuaweiについてはどちらの可能性もあると思えます。私にはこの点わかりません。
そして、私はですが、現時点は鉄板の方が良いと思ったので、そもそもリスクを取る必要そのものがあるのかなと思ったということです。
投稿: ブログ主 | 2007/04/30 21:00