« 816 ホワイトプラン契約は200万を超えたそうですが・・・ | トップページ | 当ブログの案内所(設営中) »

815 イーモバイルが案の定計画遅延、と孫社長の判断

イー・モバイルの計画がまた遅れました。


総務省、イー・モバイルの基地局開設計画の変更を認可
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/33600.html

「ドコモとローミングしたから、問題ないです」というようなことを言っていますが、要するに言い訳です。

基地局設置場所の確保難航などを挙げている。

言わんこっちゃないわけです。


◆携帯事業への新規参入はとっても難しい

1.7Ghzが新規参入に開放される事が決まったとき、新規参入するぞという風潮やら、参入したらとても儲かるとか、そんな感じの話題が沢山でした。私は当初から、「携帯事業への新規参入はとても難しい」という意見でして、また経済メディアが調子の良い事を書き散らしているような気がする、という感想でした。

携帯電話の会社は他の業種に比べて客から利益を取りすぎである、であるからして新規参入は容易なはずであり、ADSLのような事になるはずである、という根拠での主張があるようには感じましたが、携帯電話ですよ?と私は思っていました。もっとも、大半の主張はさらに情けないもので、新しいものは全て素晴らしい的な、話題だから話題なんだろう的な気もしました。

携帯に参入するには、日本全国にインフラを用意しなければなりません。NTTの局舎に寄生するだけで甘い汁を吸えたADSLとは事情が違います。

基地局を作るには場所を確保しなければなりません。そのためには、予算を確保して基地局に向いた場所を地図の上で決めれば終わるような簡単な話ではありません。地形や建物の配置を考えて良い場所、地権者、反対運動、トラフィックの分布、基地局同志の位置関係、いろいろなことを考えないといけません。それで延々と泥臭い交渉をしてやっと基地局開局です。

おまけに基地局に最適な場所はドコモとAUが確保済みです。残った場所をソフトバンクが必死で確保しています。それでも残っている場所でイーモバイルは基地局整備をしなければなりません。予算も厳しいわけです、ドコモのように大金を使えるわけではありません。

新規参入は儲かるはずであるというのは、机の上のお金の計算ではそうなんでしょうけれども。


◆イーモバイルは「問題ない」と一生懸命言っていますが

ドコモとローミングする予定なので問題は無いと主張していますが、ドコモとは「音声だけ」です。データ通信はどうするのか。ちなみにメールだってデータ通信です。それに、ドコモから回線を借りられるのは期限付きなのであります。このままだとエリア整備がろくに終わらないうちにドコモ回線の期限が来るように思われるのであります。

正直なところ、私程度が「無理だろうな」と思っていたりするくらいですから、実のところイーモバイル的にも想定の範囲内なんじゃないかと思う次第です。ただ、今後どうするのか私には予想がつきません。

新規参入はイーモバイル以外にも某社があるわけですが、そちらもどうするのやら予想がつきません。


◆孫社長の判断は正しかった

以前このような記事を書いています、一年前くらいですね。

870 ソフトバンクが1.7Ghz帯を返納
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/04/970_17ghz_6687.html

もうすっかり忘れちゃった人も多いと思いますが(笑)、ソフトバンクは最初、自前で新規参入する予定でした。

ですがボーダフォン日本の電撃買収を経て、なぜかあっさり新規参入の権利を返上してしまったということがありまして、そのときに書いた記事です。

孫社長のキャラ的には、完全に自前の携帯電話会社で日本の携帯事業に殴りこむのが理想だったに違いありません。しかも、一度手に入れた権利をタダで手放すような人ではありません。最終的に権利を捨てるにしても、交渉のカードとして使えた可能性もあります。それが、あっさりと新規参入の権利を返上してしまったのでした。

私の予想は、実はソフトバンクが手をつけていた新規参入計画が大変な事になっていて、一日も早く手を引いてしまいたかったのではないか、というものでした。つまり「新規参入は無理」と、孫社長が判断したのだと思っています。

基本的にソフトバンクモバイルに辛口な記事ばかり書いている当ブログですが(笑)、私は、孫社長は1.7Ghz帯での新規参入の巨大なリスクよりも、買収に巨額の資金を突っ込む方が安全だと判断したのではないか、と予想していて、(ボーダフォンの買収自体が正直どうなんだと思っていますが)この判断は間違っていなかった気がします。新規参入のままだったら、と思うと。


◆EM ONE

イーアクセスはPC定額で話題になっていますが、

904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html

というわけで、そもそも厳しい面があります。当然に、イーアクセスはこの事実は了解しているはずです。


しかし、なぜにPC定額を開始するのかというとそれは簡単です。誰も契約してくれないよりはマシだからです。そして、今は契約者数がほとんどゼロだからです。その上に値段も高いわけです。利用者が極端に少ないので、今だけは何とかなるのです。

今しばらくのこと「だけ」考えるなら、高めの値段で"気前良く"PC定額を提供するのも合理的です。ですが、利用者がちょっと増えるとたちまちサービス品質が破綻します。じゃあ、破綻しない程度の契約者数のまま加入を抑えてでサービスを続けたらどうなるかというと、それでは赤字のままになります。商売を成立させるためには、契約者数をどんどん増やさないといけません。しかし、ちょっと増やすと収容できません。

要するにゴールが無いのです。日銭欲しさに、お客の期待を維持するために、手持ちの在庫を赤字でたたき売りしてその場しのぎをしているのと変わらなく見えます。ソフトバンクモバイルは自転車だと言われますが、自転車を選んだ孫社長が賢く見えます。

基地局を増やすから大丈夫なんじゃないかって?じゃあ、この記事の最初のニュースは何でしょう。基地局は最初の予定通りにすら用意できないのです。

でも、これ以上何もしないのではさすがに一般人も何かに気が付いてしまいますし、サービスインしなかったら整備した基地局からお金は一円も入ってこないわけです。それじゃあPC定額で花火を打ち上げておくか、という感じに見えます。

もしかしたら、花火で話題が盛り上がって、その勢いで自転車が走り出せるかもしれません。案外と、数年後はそれなりに携帯キャリア「っぽく」なっているかもしれません。しかし、そうなる保証はどこにもありません。

失敗した場合には、これで終わりでしょう。


孫社長が笑っているような気がします。

|

« 816 ホワイトプラン契約は200万を超えたそうですが・・・ | トップページ | 当ブログの案内所(設営中) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41683/14298482

この記事へのトラックバック一覧です: 815 イーモバイルが案の定計画遅延、と孫社長の判断:

« 816 ホワイトプラン契約は200万を超えたそうですが・・・ | トップページ | 当ブログの案内所(設営中) »