813 欧州の第二世代は"通常の三倍の速度"で1Mbpsを目指す
なんとなく欧州の話題です。
Electronics Weeklyから:Ericsson社、EDGEベースで1Mビット/秒の携帯電話データ通信を目指す
http://www.ebjapan.com/content/l_news/2007/03/l_news070320_0201.html
スウェーデンEricsson社は、「業界で『EDGE』として標準化されているデータ伝送技術の拡張によって、既存のGSM携帯電話網で最大1Mビット/秒のデータ転送を実現できる」と主張している。
「当社のEDGE Evolutionは、データ転送速度を最大300%向上するほか、遅延や通信エリア、周波数利用効率の面も改善する」と説明した「通常の三倍」のEDGEを実現するんだそうです。
◆通常の三倍の三倍
てきとうに説明します。
GSMというのは日本でいうPDCみたいなものでして、第二世代の技術です。念のために書いておきますと、PDCはmova(ドコモの505iとか506iとか)やソフトバンクの第二世代やツーカーが使っている方式です。
日本は第三世代(CDMA)が盛んなわけですが、海外ではまだまだGSM(第二世代)が中心です。その理由として、日本と違って「話せりゃいいやん」的な状況が多いとか、第三世代に投資するお金がもったいないとか、もったいないと思っているうちにWiMAXの足音が聞こえてきた、など色々な理由があるようです。
データ通信に関して、GSMは最初貧弱だったのですが(今でも貧弱ではありますが)、接続を複数束ねるような感じとか、パケットできるようにしたりとかしています。GPRSとか言われているのが、それです。
で、信号を電波に載せる方法を改良して(GPRSの)通常の三倍の速度を出せるようにしたのが、EDGEというものです。ウィルコムと名前が被っていますが全然違う方式です、ややこしいです。シャア専用GPRSであります。
で、EricssonがEDGEをさらに通常の三倍にしてメガ超えさせたい、と言っているわけであります。シャア専用をさらにシャア専用にするということです。「その発想は無かったわ」的な状況です。もはや何色に塗ったらいいのかわかりません。
ちなみに、エリクソンというのはGSM御三家の一つです。ノキア・モトローラ・エリクソン、この三つがGSMの総元締めです。よく解らないベンチャーが一山当てようとしてハッタリを効かせているのではありません。マジだということです。
HSDPAやらHSUPAやらSuper3Gやら、WiMAXやら、そういうものがスゴイ勢いで話題になりつつある現在、その状況下で「第二世代をこれからもういっちょ改良します」と宣言したわけです。つまりまだ世界は多分に第二世代(GSM)の影響下にありつづけるということなのでありましょう。
ちなみにWILLCOMも方式的には第二世代で、第二世代がとんでもなく進化したものです。
ウィルコムは四月から、800Kbps化、のところ基地局回線の事情でちょっとの間は512Kbpsということになります(W-OAM TypeG)。
ウィルコムについてはまだメガ超えの話は出ていないわけですが、心理的にはメガ超えの効果は大きいですから、話だけでも出て欲しいものですね。速度的にはあともう少しですから。
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