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2006年9月の2件の記事

841 「iPod携帯」は「iPod」と「携帯」でした

まだ間があいてしまいました。

ちょっと旬を過ぎてしまった感のあるニュースですが、題名の通りの話題について書いてみたいと思います。
#あんまり細かいことを気にしているといつまで経っても投稿できないということに気がつきました。


◆iPod携帯の噂は?

ボーダフォン、iPodと「705SH」をセット販売
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200609140043a.nwc

ボーダフォン,「iPod nano」と携帯電話をバンドル販売
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060913/247902/?ST=management

というわけで、ソフトバンクからiPod携帯が出るぞという噂は、なんとなんと「iPod携帯」ではなくて「iPod」と「携帯」という結末となりました。LION KINGだと思ったらLION is KINGだったというか、オイオイという感じです。
#大半の人は元ネタわからないと思われますが気にせずに次に行きます


◆その目的?

お菓子で子供を釣るような謎の販売形態ですが(実際、それ以外の何でもありませんが)、これはちょっとややこしい話が一緒にくっついています。スーパーボーナスという新しいなにやらと抱き合わせなのです。

販売店的には、スーパーボーナスというのはこういう感じです。
・端末をただでもらえます
・というか705SHとiPodのセットをただでもらうことも出来ます。
・加入して二ヶ月は基本料金は無料、パケ代も無料
・それどころか駄目押しで、一万円キャッシュバックで差し上げます!

随分と大盤振る舞いに見えなくもありませんし、難しいことを理解できない人は大盤振る舞いだと思ってしまうようですが、

・26ヶ月は機種変更できません(追加料金なしでは)
・26ヶ月以内に解約できません(罰金支払いなしでは)
などの重大な制限がついています。

これまでは、携帯を新規契約したり、一定期間経過後に機種変更する際には割引がされルのが習慣でしたが、ソフトバンクはこれを「ローン」にしてしまいました。

つまり、「705SHとiPodのセットをただでもらう」のではなく、「26ヶ月ローン」で購入する形になるというわけです。ローンは比喩ではなくて、実際にローン契約です。
で、ソフトバンクを約束どおり契約しつづけている限りはローンの支払いが免除されるが、26ヶ月以内に機種変更したらローンを支払わされることになり、26ヶ月以内に解約した場合には一万五千円の罰金(ユーザに配った一万円より高い、きっちりと)とローンの支払いが発生します。
つまり、解約したとたんに借金の取立てをされることになるわけです。

私にはとても気持ち悪い契約形態だと思えます(万が一ソフトバンクと契約するとしたら、ローン無しで契約します)。
他社で同じ事が実施されないことを祈るばかりです。


◆ソフトバンク的打算

さて、ソフトバンク的にこのシステムを導入した理由は何でしょうか。

まず、ローンにしてしまったので、端末を売る際に値引きした分を回収できなくなる心配をする必要がなくなりました。堂々と「お前の借金を払え」と取立てできるようになったからです。
一方、ショップはこのことをきちんと説明しないといけなくなりました。

また、ローンだと将来戻ってくるお金として、会計上資産に計上できます。今までの販売形態だと、端末を売った時点で端末価格だけマイナス、そしてその後のユーザの電話料金支払いからちょっとづつ回収するというような方法でした。
しかし、端末を売った時点でローン組ませたわけですから、会計上マイナスが発生しない仕組みになります。つまり・・・今年度に滝のように端末をこのシステムで売り込んでも、見た目上は赤字決算にならないのです。

また支払い滞納のローンは、怖い会社に権利を売り飛ばしてしまうことができます。
ソフトバンクとしては権利を売り飛ばした時点で回収終了。あとは怖い会社が支払わないユーザに対して「あんた端末を購入したときにこれにサインしているんですよ」と支払いを催促するわけです。

また、こんな様子ですから、一度契約すると解約しにくくなります。
これは従来のハッピーボーナスの問題点と同じで、解約する人が減りつつ、ものすごい不満をためつつ仕方無しに解約できない人を発生させる制度でもあります。


◆良く出来た仕組みではないと思います

これを「良く出来た仕組みだ」と言う人がいますが、そんなことは無いと思います。
私の意見としてはこれはやってはいけない仕組みだと思います。

まず、AUやドコモの従来どおりの端末販売とユーザから見て何が違うのでしょうか?コワイ契約をさせられる以外に点については従来と似たようなものです。
端末は原価より大幅に割引価格で購入することが出来て、そして見えない形で月々の料金から端末代が回収されているというだけのことです。

では、AUやドコモから見たらどうか?
端末は原価より大幅に割引価格で提供し、そして見えない形で月々の料金から端末代が回収するだけのことです。

何が違うのかというと、

まずひとつは端末を手に入れた人間が解約してしまったりした場合のリスクをユーザが完全に負う形になっているかどうかです。ソフトバンクは新規で契約して即解約し、端末だけ手に入れたりする人のリスクをユーザにかぶせてしまったわけです。

しかししかし、これはキャリアの都合。ユーザにも同じような言い分があります。
契約してみたけれどこの電話会社を解約したくなったような場合、あるいは買った端末が使い物にならなかったりした時に解約できるかできないかという点です。

いずれにせよ26ヶ月は長すぎましょう。
例えば、利用者から見て24ヶ月契約して解約するのは不義理に見えるでしょうか?
利用者とトラブルを起こす可能性があることを考えると、ちょっとどうかと思うわけです。

また、目先の餌に釣られて自分が負うリスクについて理解できない人間(あるいは「解約するときは解約するときでしょ」、解約するときにはゴネたらなんとかなるでしょ、的な人間)を引き寄せる仕組みですから、室の悪い顧客を吸い寄せてしまうことでしょう。
#消費者の金融っぽい

端末は機能の割に高めだけど、契約後は安い(という理解力がある人が契約する傾向のある)ウィルコムと正反対の顧客が流入することでありましょう。


もう一つ、帳簿上赤字が発生しない点も従来と違うところです。
これについでですが、結局どちらにせよユーザから電話料金の一部として代金は回収するわけですから、最終的には同じ事になります。たしかにこの仕組みだと今年度の決算は大幅に良くなるかもしれませんが、それだけですよね。


目先の割引で「得だ」と思わせておいてリスクを全部利用者に背負わせ、あるいはそんな顧客を引き寄せ、見た目の決算をよくする仕組みではないか、というのが私の意見です。


それにしてもアップルさん、よくぞこんな抱合せ販売に商品を提供することを許したものだと私には思えます。

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842 ドコモのHSDPA、速度は予想の通り

タイトルに「ドコモの」とつけたのには理由があります。


◆HSDPAはじまる

ドコモが「夏にはHSDPAをはじめる」と言ったからでしょうか、8月31日からHSDPAがサービスインしました。
8月31日は確かに夏ですが、あと一日遅れると夏とは言いにくくなります。子供の宿題か?と言いたくなるようなサービスイン日です。

延期に延期を重ねたHSDPAですが、MNPなどもあるので8月末よりもサービスインを遅らせると政治的に面倒が多いので、ぎりぎりセーフでサービスインしたという印象を受けます。


さて、気になるのは実際の速度です。

HSDPAの実力を「N902iX HIGH-SPEED」でチェック
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/review/30826.html

というわけで、速度は「400Kbpxくらい」だそうです。買った人の話でもそのような感じのようです。AUは同条件で300K~200Kなので若干速いようですが、HSDPAはまだ混雑と無縁の利用者皆無の状態(とても速度が出やすい状況)なので、最終的には利用感としては「速度としてはAUと同じような感じ」となると思います。

AUだと理想的な状態(電波状態が超良好な場所・静止状態・誰も使っていない時間帯・PC接続)だと700Kとか800Kが出ますが、こちらはドコモのHSDPAでは1メガちょっと程度のようです。

というわけで、私が以前に予想したとおりの数字になっています。

参考:
904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html


◆感想

細かいことはさておき、AUのEV-DO Rev.0とドコモのHSDPAは大体同じような感じになりそうです。
これから、どちらが速度がどうとかいう細かい比較がいろいろなところで色々な記事でされることでしょうが、速度についてはまあ全体的に見て似たようなものであると考えて良いでしょう。
通信速度以外の性能については何か違いがあるかもしれませんが、これについては、まだしばらく様子を見る必要があることでしょう。


ドコモは東京だけでのサービスインで、AUは全国展開完了の上にRev.Aのサービスインを控えています。まだ相当差はありますが、ドコモもようやく着歌などが可能になりそうです。
上記の記事の従来機種の速度(W-CDMA)を見て欲しいのですが、かなり悲惨な速度です。W-CDMAはHSDPAと違って電波状態でスペック上の理論速度より大幅に速度が落ちることが前提ではなく、384Kなら384Kが出る前提で作ってある方式です。であるにもかかわらずこの速度(80K)なのは、混雑が激しいからのはずです。
例えば80Kで着歌フルのようなものをサービスインしてしまうと、ダウンロードに長い時間がかかってしまいます。HSDPAによって若干はマシにはなることでしょう。ただし、全国展開が進めばの前提でですが。


さて、記事の最初に「ドコモの」HSDPAと書きましたが、これには理由があります。
これはHSDPA一般の参考になるケースではなく、ドコモがHSDPAに必死で取り組んだ結果です。ソフトバンク(ボーダフォン)がHSDPAを開始しても同じ事になるとは限りません。

ドコモがHSDPAで成し遂げたことを、主語のドコモが抜け落ちてそのまま他社(ソフトバンクや新規参入)に当てはめた予測などが出てくると思いますが、そういう記事を見かけたらニヤニヤしてください。

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