« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »

2006年8月の3件の記事

843 ボーダフォン(ソフトバンク)に「津田さんの二の舞」

記事のタイトルはちょっと失礼な感じにしてしまいました。


◆副社長

ボーダフォン(ソフトバンク)に、元クアルコム日本のエライ人がやってくるというニュースが出ております。

ボーダフォン、執行役副社長に元クアルコムの松本徹三氏
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2006/08/22/664103-000.html

クアルコムの松本氏、ボーダフォンの副社長に就任
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/30656.html

ニュースではなにやら色々かかれていますが、要点は「元クアルコム日本のエライ人がやってくる」という点です。

以前に記事にもしましたが、ソフトバンク買収決定後のボーダフォンの記事には誤報が多かったり、変に誇張されていたりする記事が目立つような気がします。
ですので、考えたりしたことを少し書いてみたいと思います。


◆によれば

クアルコムは(ご存知の通り?)「第三世代」の技術の元締めみたいなところです。
そこから人がやってくるということで、クアルコムの技術がソフトバンクの将来を明るくするとか、そんな感じで喜んで騒いでいるところがあるような気もしたりしなかったりします。ニュースにも、

「通信業界の中での経験が豊富な松本氏に対し、人生最後の仕事は日本を良くする仕事であるべき、とラブコールを送ったところ、就任する運びとなった」

なんていう煽り文まであります。でも、あまりに都合の良い文章なので、ニュースを良く見ますと(強調部は私による)、

ボーダフォンによれば、「通信業界の中での経験が豊富な松本氏に対し、人生最後の仕事は日本を良くする仕事であるべき、とラブコールを送ったところ、就任する運びとなった」という。

うひひ。


◆前例

今回のような感じの出来事が実は以前にありました。

NTTドコモの当時副社長で「ドコモの次の社長になるに違いない」と思われていた人がいました。
ドコモ内部(あるいはNTT内部)での大人の事情により実際には別の人が社長(現在の中村社長)になり、なんとその人がボーダフォンにやってくるという大事件がありました。
買収されたボーダフォンから最近去っていった、津田さんです。

実際にドコモの次の社長になるかもしれなかった人ですから、結構なニュースではありまして、「ボーダフォンはこれ以上ない人材を得た」なんてニュースで書かれました。
でも、ボーダフォンがその後どうだったかは皆さんご存知のとおりです。


注意しなければならないのは、ソフトバンクとクアルコムの提携では決してないことです。
偉そうな感じがするかも知れない人(実際のところどのような人で、どのような影響力のある人で、どのような見識のある人か不明)が、一人移籍したというだけの話です。

ボーダフォンが上手く行かなかったことについては、世間的には責任のレッテル貼り付けのようなものが済んでいて「ガイジンには日本のことがわかりませんでした」という納得しやすい理由で失敗したことになっています。
私自身は以前から書いているとおり、J-Phone時代の繁栄そのものが偽りの繁栄であった可能性が高いと思っています。ボーダフォンはベストを尽くしたとはいえないと思いますが、でもボーダフォンが買った時点で傾き始めていたと思っています。

津田さんの件については、上に書いた理由付けで「ボーダフォンだったから上手く行かなかったのさ」と一蹴されて、今度はボーダフォンではないから上手く行くということにされてしまいそうな気がします。
でも、他所からエライ人を引き抜いてきて話題にするという展開、私には全く同じにも見えます。というわけでこの人の事は「津田二号」と呼びたくなります。


◆冷静でない

このあたりの考えを踏まえて、もっとも冷静ではないと思ったのは以下です、

ソフトバンクが獲得した「携帯電話ビジネスのプロ」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0608/23/news025.html

知らない人も多いのですがitmediaはソフトバンク系列なので、その辺も最初からアレなわけですけれど、

・この人はこんなにスゴイ人です!
・ソフトバンクには他にもスゴイ人材が続々と集まりつつありますよ(と具体的に誰なのか書かずに強調している)

風雲児とか辣腕とかいろいろ書いてございます。

津田さんの時には、説明不要のスゴイ人で(だってドコモの社長候補でしたから)、ドコモから優秀な人材が続々と移動してくるなんて言われていたはずです。


そもそも現在問題になっているのは、MNPをはじめとする短期的な危機です。この人は、それに対処する能力は期待できません。なぜなら、この人は携帯電話会社から移ってきた人間ではないからです(クアルコムは技術を売るだけの会社)。クアルコムはW-CDMAにも手を出していますが、CDMA2000が本来のテリトリー。おまけにクアルコムはWiMAXと敵対関係にあります。
#繰り返しておくと、そもそも、クアルコムとの提携ではなくて人が一人移動しただけなのです

中長期的な展望はそもそも買収前に十分に検討しておくべき話題でありましょう。
買収を行い、その上に孫社長が基地局を増やすやら何を投入するやらあれこれ発表し倒した後では遅いような気もします。

このニュースを聞いて津田さんはどう思っているのかなと思いました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

844 ウィルコム好きはビールを飲み倒す、のオチを予想しました

ウィルコムから、意外な形で新機種が発表されました。
ウィルコム大好き方面では、ビールの大量購入がブームになりそうです。


◆新機種が欲しい方はビールをお買い求めください

ウィルコムからありえない形で新機種が投入されることがアナウンスされました。

アサヒビール株式会社「うまい!を選ぼうキャンペーン 2006 うまい!旬感プレゼント!」へのW-SIM対応「スーパーワンセグTV Watch」採用について
http://www.willcom-inc.com/ja/info/06081501.html

なんと懸賞ですよ。
これはウィルコム初のワンセグ対応機なのですが(しかも初の腕時計?型)、普通に販売してくれません。
話題狙いだとしたら、これまでのウィルコムらしからぬ作戦です。


懸賞だからちゃっちいのかとも思いましたが、ワンセグ・腕時計型・メールに通話にウェブもできるとあります。
ウィルコムの方にはウェブできるとは書いていないのですが、

アサヒビールの懸賞サイト
http://www.asahibeer.co.jp/cp/beer/shunkan/index.html

にはウェブブラウズできるとの記載があります。


◆なすび

というわけで、ウィルコム熱狂方面ではビールの全力注文が相次いでいる模様です。
お前らTプロデューサーに命令されたのですかと言いたくなるような惨状です。

日本全国のなすびサイトの様子:
http://blog.willcomnews.com/?eid=337376#comments

http://www.memn0ck.com/log20060815.html

しかし懸賞なんてあたらないと思っている私は最初から冷めていたりします。


◆状況

この端末ですが、噂によるとNEC製のようです。NECはカード型はずっと作っていますが、音声通話可能なものが投入されるのは初めてだと思います。
みんなシール集めに熱中してコメントしている人が少ないですが、NECとウィルコムで何か協力が進んでいるのかもしれません。思えばW-ZERO3が出た時にも、SHARPは予想外メーカーでしたがいまやすっかり定着しています。

数ですが、
総数5000台(シルバー3000台、ホワイト1000台、レッド1000台)
だそうで、結構数がでるようです(TTなんかと比べてみてください)。
懸賞のためだけに少量生産がおこなわれるのではなくて、これは最低限は量産されるという数のはず。
その後に普通に製品として投入される可能性もありそうですね。

応募に必要なシール数は36枚、一口応募するだけでもビール36本ということになります。これはなかなかの覚悟が必要です。

一般人的には「シール12枚で、厳選食材1万五千円分」のコースの方が応募の中心なんじゃないかと思う次第です。もしかすると、一般の懸賞バカは食材コースに吸い寄せられそうなので、食材コースがウィルコム馬鹿のための弾除けになってくれているかもしれません。
12本と36本では応募の敷居が違いすぎることもありますから、ウィルコムバカ以外の応募はほとんど無いんじゃないかとさえ思ったりします。ウィルコムバカ、かつ36枚のシールを集めるバカの総数と、5000との間の開きがどの程度か次第でしょうか。
ビール数百本買う覚悟のある人なら勝てる勝負かもしれませんね。

加えてダブルチャンスで10万名にスーパードライ六本が届くようです。
なんとなく、「抽選外れたウワーン」のおうちに空しく「スーパードライだけが次々に届く」的な結果を予想しておきます

| | コメント (0) | トラックバック (0)

845 HSDPAはいつになったら始まる?

気がついたらブログが放置状態でした、すみません。
書かないといけないなと思っていましたが、ちょっと忙しすぎでした。


◆HSDPAはまだ始まらない

HSDPAは案外と容易なことではないということをこのブログで書いてきておりましたが、
(というのも、メディアがHSDPAを魔法の未来技術のように書きすぎるからです)
今のところ案の定と言いましょうか、もう八月も後半に入りつつありますが、HSDPAはサービスインしていません。

昔の予定では、もう何年も前にHSDPAが開始されているはずでした。少し前には今年の春に開始するという話でした。今は八月末にサービスインすると報じられています。
八月末は「夏にサービスインしました」とギリギリ言える限界ということですね。

ボーダフォン(ソフトバンク)は10月にサービスインすると言っているそうですが(ソフトバンクについては次回くらいにいろいろ書いてみたいとおもっています)、こちらも大丈夫なのかなと私には思えます。


◆ドコモはかなり苦労?

ドコモがサービスインできずに居るのは、資金が無いからでもサービスインしたくないからでもありません。
資金はありあまっていますし、AUが3.5世代に移行してからおよそ三年、ドコモはずっとサービスインしたいと思っているに違いありません。

ちなみにソフトバンクが「10月あたり導入する」と言っているのは、10月までにHSDPA対応基地局を買ってきて、海外から端末を調達して「サービスインしました」という予定ということのようです。ドコモとは随分と導入の意味が違います。

ドコモとしてはソフトバンクに先を越されるのも嫌なところでしょうし、不本意な状態でサービスインするのも避けたいので困っているのかもしれません。

初のHSDPA携帯としてN902iXが発表されたのは5月11日ですか、このままですと販売開始は早くても八月末になります。発表されてから三ヶ月以上も発売されないというのは普通あることではありません。
#ウィルコムの京セラの機種で何かそういう機種があった気もしますが

ちょっと古いニュースですが、実機が一度だけデモされた事がありました。

【WIRELESS JAPAN 2006】動画で一目瞭然!通信速度1MbpsのHSDPA端末「FOMA N902iX HIGH-SPEED」初公開!
http://arena.nikkeibp.co.jp/news/20060719/117718/

デモ用に会場内に専用基地局を用意して実機デモが行われたようなのですが、これが私が以前記事で書いた予想のとおりに速度が出ていません。

N902iXは、5月の記者発表会では動作しないモックアップのみの展示だったが、初めて動作する実機が展示されていた。会場にはHSDPAに対応した基地局が設置されており、高速通信が可能となっていた。
会場ではカード型の「FOMA M2501 HIGH-SPEED」も含め、多くのHSDPA対応機種が通信していたため、通信速度は100k~500kbps程度となっていたが、説明員によれば環境によっては最大で1Mbps程度は出るという。Yahoo! JAPANを旧機種である「N902i」と並べて同時に開いたところ、確かにN902iXのほうが格段に早く表示していた。

まず、「説明員によれば環境によっては最大で1Mbps程度は出るという」とあります。私の予想した数値のとおりです。
海上で実際に出た速度、「通信速度は100k~500kbps程度となっていた」も予想のとおりです。普段の利用ではそういう速度になるだろうという予想のとおりです。

会場で利用者が多かったことが言い訳になっていますが、これは実は言い訳として成立していません、会場に設置した基地局は実際のHSDPA基地局よりも理想的な状況である可能性が高いからです。
なぜなら、本来の基地局はもっと広い範囲をカバーし沢山の人によって利用されるからです。音声通話と干渉したり、建物の陰だったり建物の内部だったり電波が反射したり、移動して利用する人が居たり、基地局から遠かったり地下だったり。とにかく、会場だから速度が出ないという理由よりは実環境の方が苛酷に思えます。

デモは7月でした。ここからドコモがどれだけ努力できたかは不明ですが、劇的に改善しているとは予想しにくいのも事実かもしれません。少なくともAUに対して速度面で大きなリードが得られているとは到底思えません。

というわけで、
・AUの四倍の帯域幅を使っているのに速度が出ません
・ソフトバンクに先を越されるのは嫌だ
・MNPが迫っているので早くサービスインしたい
・しかしMNPが迫っているので中途半端なサービスを出すと逆効果である
こんな感じでドコモは困っているのではないかなあと私は思っています。

そしてソフトバンク、「買ってきて単に設置しました」だと悲惨なことになりそうな気もするのですが。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2006年7月 | トップページ | 2006年9月 »