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843 ボーダフォン(ソフトバンク)に「津田さんの二の舞」

記事のタイトルはちょっと失礼な感じにしてしまいました。


◆副社長

ボーダフォン(ソフトバンク)に、元クアルコム日本のエライ人がやってくるというニュースが出ております。

ボーダフォン、執行役副社長に元クアルコムの松本徹三氏
http://k-tai.ascii24.com/k-tai/news/2006/08/22/664103-000.html

クアルコムの松本氏、ボーダフォンの副社長に就任
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/30656.html

ニュースではなにやら色々かかれていますが、要点は「元クアルコム日本のエライ人がやってくる」という点です。

以前に記事にもしましたが、ソフトバンク買収決定後のボーダフォンの記事には誤報が多かったり、変に誇張されていたりする記事が目立つような気がします。
ですので、考えたりしたことを少し書いてみたいと思います。


◆によれば

クアルコムは(ご存知の通り?)「第三世代」の技術の元締めみたいなところです。
そこから人がやってくるということで、クアルコムの技術がソフトバンクの将来を明るくするとか、そんな感じで喜んで騒いでいるところがあるような気もしたりしなかったりします。ニュースにも、

「通信業界の中での経験が豊富な松本氏に対し、人生最後の仕事は日本を良くする仕事であるべき、とラブコールを送ったところ、就任する運びとなった」

なんていう煽り文まであります。でも、あまりに都合の良い文章なので、ニュースを良く見ますと(強調部は私による)、

ボーダフォンによれば、「通信業界の中での経験が豊富な松本氏に対し、人生最後の仕事は日本を良くする仕事であるべき、とラブコールを送ったところ、就任する運びとなった」という。

うひひ。


◆前例

今回のような感じの出来事が実は以前にありました。

NTTドコモの当時副社長で「ドコモの次の社長になるに違いない」と思われていた人がいました。
ドコモ内部(あるいはNTT内部)での大人の事情により実際には別の人が社長(現在の中村社長)になり、なんとその人がボーダフォンにやってくるという大事件がありました。
買収されたボーダフォンから最近去っていった、津田さんです。

実際にドコモの次の社長になるかもしれなかった人ですから、結構なニュースではありまして、「ボーダフォンはこれ以上ない人材を得た」なんてニュースで書かれました。
でも、ボーダフォンがその後どうだったかは皆さんご存知のとおりです。


注意しなければならないのは、ソフトバンクとクアルコムの提携では決してないことです。
偉そうな感じがするかも知れない人(実際のところどのような人で、どのような影響力のある人で、どのような見識のある人か不明)が、一人移籍したというだけの話です。

ボーダフォンが上手く行かなかったことについては、世間的には責任のレッテル貼り付けのようなものが済んでいて「ガイジンには日本のことがわかりませんでした」という納得しやすい理由で失敗したことになっています。
私自身は以前から書いているとおり、J-Phone時代の繁栄そのものが偽りの繁栄であった可能性が高いと思っています。ボーダフォンはベストを尽くしたとはいえないと思いますが、でもボーダフォンが買った時点で傾き始めていたと思っています。

津田さんの件については、上に書いた理由付けで「ボーダフォンだったから上手く行かなかったのさ」と一蹴されて、今度はボーダフォンではないから上手く行くということにされてしまいそうな気がします。
でも、他所からエライ人を引き抜いてきて話題にするという展開、私には全く同じにも見えます。というわけでこの人の事は「津田二号」と呼びたくなります。


◆冷静でない

このあたりの考えを踏まえて、もっとも冷静ではないと思ったのは以下です、

ソフトバンクが獲得した「携帯電話ビジネスのプロ」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0608/23/news025.html

知らない人も多いのですがitmediaはソフトバンク系列なので、その辺も最初からアレなわけですけれど、

・この人はこんなにスゴイ人です!
・ソフトバンクには他にもスゴイ人材が続々と集まりつつありますよ(と具体的に誰なのか書かずに強調している)

風雲児とか辣腕とかいろいろ書いてございます。

津田さんの時には、説明不要のスゴイ人で(だってドコモの社長候補でしたから)、ドコモから優秀な人材が続々と移動してくるなんて言われていたはずです。


そもそも現在問題になっているのは、MNPをはじめとする短期的な危機です。この人は、それに対処する能力は期待できません。なぜなら、この人は携帯電話会社から移ってきた人間ではないからです(クアルコムは技術を売るだけの会社)。クアルコムはW-CDMAにも手を出していますが、CDMA2000が本来のテリトリー。おまけにクアルコムはWiMAXと敵対関係にあります。
#繰り返しておくと、そもそも、クアルコムとの提携ではなくて人が一人移動しただけなのです

中長期的な展望はそもそも買収前に十分に検討しておくべき話題でありましょう。
買収を行い、その上に孫社長が基地局を増やすやら何を投入するやらあれこれ発表し倒した後では遅いような気もします。

このニュースを聞いて津田さんはどう思っているのかなと思いました。

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コメント

まいど
Vodafoneがうまく行かなかった理由は、至極単純だったと思っています
それは、主要客層が『携帯をほとんど使わないけど持ってないとカッコがつかない』
って人々だった言えるのではないでしょうか?

Vodafoneの家族割引が副回線半額・無料通話分も半額
という内容で受け入れられているのは、多くの人があまり使いまくらない
という部分に合致しているように思えます

J-Phoneの時は、すごい機能の端末なども多かったので
サービスはほとんど利用しないけどカッコよく携帯を所持
というニーズに合っていたのだと思います

その一方で、こういった客層からは大幅な収入拡大は見込めないわけで
また、たくさん使う層はほとんどauに流れてしまい
ある意味、顧客層は取りつくしたのだと思います

そういう観点から、次のSoftBankでも継続する客層は
新しくて高度なサービスなどは求めていないのではないでしょうか?
つまり、3Gで大量のデータを流して稼ぐ商法が効かない、と

したがって、何らかの効力のある人物だったとしても
通信技術の会社の人は、ほとんど役に立たないと見ています
必要なのは、ブランドイメージを一新する宣伝マンでしょう

予想GUYを副社長に抜擢した方が、大ニュースかと思います(笑)

ではでは

投稿: あおい | 2006/08/27 07:39

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