869 HSDPA後も、ドコモの料金プランに変更なし
既報についてちょっとコメントをしてみたいと思います。
ドコモ、3.5G携帯サービスを7月開始-料金体系は現行と同等
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK200605050007.html
すでに各方面で同じようなニュースが報じられていますが、「HSDPA開始後、特にFOMAの料金体系の変更はありません」というニュースです。
◆やっぱりPC定額は無い?
やっぱりというか、PC定額の噂は「あのニュース」一回きりでその後ありません。
ドコモとしてはとりあえず「やらない」ということのようですね。
見るからに誤報っぽかったPC定額のニュースでしたが(残念ながら信じちゃった人も多かったようですが)、やっぱり天下のドコモは無茶なことはしないらしく、PC定額どころか「料金体系は今までどおり」だそうです。
もちろん、あのドコモですから資金力に任せてむちゃくちゃな設備投資によってPC定額を開始する可能性は無くああリません。しかし、常識的に考えてそんなことをしてもまったく儲からないので、やっぱり定額は行われなかった。こういう感じです。
◆ドコモは盛んに「3.5世代」と自称している
AUはEV-DO、いわゆる「WIN」のことを「ブロードバンド携帯」と呼んでいましした。
WINが始まったころはブロードバンドという単語がまだ流行の力を持っていたこともあり、なかなか悪くは無い呼び方だったと思います。
一方ドコモのニュースでは今のところ「3.5世代」という単語を頻繁に目にします。
もちろんこのあとサービスインを行うときまでに、マーケティング関係(というか広告代理店かもしれない)が「ドコモ茸」のようなキャンペーン用の何かを思いつくのかもしれませんが、今のところはHSDPAが何かを示す単語として「3.5世代」が使われています。
このまま技術世代の呼称(「3.5世代」)を世間に浸透させるのかどうかちょっと気にしています。
「3.5世代」という呼称はわかりやすいのですが、AUにすぐさま「3.7世代」とやり返されるかもしれません。
(あるいは、AUがもっと考えてその後の「世代の無意味な数値」の無意味な争いになることを避けてAUが自重するかもしれませんが)
もしかすると、利用者からすると結局「なんか速くなったな」程度でしかないので、あるいはここは「ドコモは高速化について特に大きなキャンペーンを打たない」のかもしれません。どうしてかというと、ドコモが何を言っても実はかなり先行しているAUと比較されておしまいだからです。
とすると、「とくにキャンペーンを打たない」のなら、内部用語としての「3.5世代」あなんとなくそのまま説明に使われている現状のままでよいのかもしれません。
つまり、ドコモは商品としての呼び名はつけず、HSDPAという呼び名と「3.5世代」という最低限の説明以外はしないかもしれないということです。
あるいはもしドコモが何か呼び名をつけると、先行しているAUからの「反撃」が予想されますから、現行のEV-DOの2.4メガよりも一見数値上速いことをうまく使って、「ドコモが最新技術を導入してAUは後追い中です」と錯覚させるようなキャンペーンを行う必要があるかもしれません。
まとまりがなくなってしまいましたが、つまり状況としては微妙なのではないかということです。よく考えてみますと「ドコモ茸」も、安い安いと言っているだけであまり具体的なメッセージを含まないCMなので、ああいう感じになるのでしょうか?
かつてのAUの「ブロードバンド携帯(速いですよ)」とか、W定額の「定額なだけではなくてこんなに安い定額です」、「着歌フルをどんどんダウンロードして楽しいです」と、AUのほうが具体的アピールなのはやはりリードがあるからでしょう。
そういう意味ではボーダフォンのLOVE定額なんかも「実に具体的」です。
◆ドコモがHSDPAですること
HSDPAはPC定額を行うには荷が重過ぎるのですが、電話機単体(ハンドセット単体)にとってはある程度十分な能力があります。
ドコモがHSDPAで何をするかですが、思いつくものを書いてみると、
・AUと同じく着歌をはじめる
・新サービスは始めない
・関係ありそうで関係ないサービスをHSDPAならでは新サービスだと銘打つ
まず一つ目ですが、着歌はAUが利益をあげているわけで、真似をすれば儲かるだろうというわかりやすい話です。次は、特に目立った新サービスはしないという予想です。これは、AUよりも加入者数が多いうえに第三世代で無理をして定額をしてきたドコモが一息つくために使うという予想です。
三つ目は、HSDPAゆえの新サービスであるというようなCMが打たれるにもかかわらず、冷静に考えてみると実はあまり関係ない(3.5世代である必要性は無い)そういう新サービスが出てくるという予想です。
これからワンセグや決済関係の新サービスなどは出てくるかもしれませんが、その場合もHSDPAの恩恵が無ければできないような転送量の多い新サービスはなかなか少ないはずですが、そこを無理やり関係があるかのようにサービスするという新サービスという予想です。
3.5世代ではAUがやった以上のことはなかなか出てこないだろうと思います。
◆本当に影響を受けるのは
ここまでの感じでわかるとおり、AUはなおも技術的な優位があるのでドコモが新しいことをしても対処する能力があります。
問題なのはソフトバンクと新規参入各社です。
ドコモもAUが両方とも当然のようにサービスをしている、となると新規参入も真似をしなくてはならなくなってつらいわけです。これがドコモもAUの片方だけならば、まだ「やらない」理由が残りますが、両方となるとつらいでしょう。
当ブログでは新規参入が厳しいことになると予想しているわけですが、ドコモがHSDPAで行うこと次第では、また厳しい材料が増えそうです。
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