866 ドコモの新FOMAは、高速パケ死機能付き
タイトルはふざけております。
◆新しいFOMAが発表される
NTTドコモ、3.6メガ高速通信「HSDPA」や着うたフルや対応の新FOMAを発表
http://bcnranking.jp/products/01-00007928.html
新しい902iS(と702)が発表されましたね。
新機種のラインナップを見てドコモらしくないと思いました。この機能はこの機種、あの機能はあの機種・・というラインナップ、ドコモっぽくありません。まるでAUのようです。
各機種揃った機能で高性能ではないからです。おまけに、着歌フルなど新サービスの内容までAUっぽさを感じます。これが本当にドコモの新機種群なのか?
着歌フルに対応するなど、なにやら方針転換を感じますのでそのうちその辺りについて書いてみるかもしれません。
それぞれの機種について書いても良いのですが、当ブログ的には気になる機種は一機種ですのでそれについて書いてみたいと思います。
◆一機種だけ?
当ブログではHSDPAについていろいろと記事を書いてきました。あるいは成り行きでそういうことになってしまいました。
世間でもHSDPAはそれなりに話題になっていますので、私はてっきりHSDPAは902iSの標準機能になるのではないかと思っていたのですが、意外にも一機種だけでした。しかも、標準のラインナップを外れた「特殊端末」としてだけのリリースになりそうです。
「N902iX HIGH-SPEED」だけが当面のHSDPA対応端末になるようです。で、商品名に「HIGH-SPEED」とつけることでわかりやすくする方針のようです。
そしてN902iSは別に発売されるので、あくまでも標準ラインナップ外という感じでのスタートになるようです。
私のHSDPA開始時の予想は、
・今年の夏というアナウンス通りのサービスインには失敗する
・しかし大々的に多機種対応という形での開始になる
と思っていたので予想外でした。
N902iXだけの非常に地味なスタートで、しかも当初はエリアは東京23区だけだそうです。
ドコモとしてはHSDPA自体を売りにするつもりは無いのかもしれません。あるいは、HSDPAのエリア整備は案外と難しいのかもしれません。
◆高速パケ死装置
FOMAの料金体系はHSDPA開始後も従来と同じであるというニュースが出ています。
さてここで問題になるのは、ドコモはフルブラウザは定額対象外という事実です。そして「N902iX」にはフルブラウザが搭載されていたりします。
もちろん、通信の高速さをウェブブラウズで味わうにはフルブラウザ搭載が一番わかりやすいわけですが(ただし、端末側の処理能力も高くないと体感できませんが)、定額外というのはいかにも危険であります。
3.5GたるHSDPAは以前の記事で書いたとおり、
(904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html)
スペックから直感するほどは高速ではないのですが、混雑があまり無ければある程度の速度は出ます。
しかも、N902iXしか対応端末が無いのですから、開始当初はそれなりに快適に通信できてしまう可能性があります。なぜって利用者自体がいないわけですから。そうなると、勘違いしてパケット代がすごいことになる人が出るんのではないかと思ったりします。
#AUもフルブラウザ登場当初(W21CA)は定額外で、やっぱり高速パケ死装置でした。
しかしドコモはこの辺りを慎重に行って(たとえば「定額外ですよ」という確認メッセージを起動時に出すなど)サービスを行えば、高速にフルブラウズできるということで収入を得られる感じに出来るかもしれません。
ドコモだけに、快適に使うためには出費などいとわない人は結構いるとおもわれるからです。また、そうすれば収入になるだけでなく、3.5世代の天敵たる「トラフィックの増加」を抑える効果もあります。
◆正体のわからないN902iX
その他のポイントをいくつか書いて見ましょう。
まず、HSDPA開始時の通信速度はドコモのHSDPAの限界速度だろうということです。
N902iXを買った人だけしか通信しませんし、おまけに902iXは主力ラインナップから外れています。そのうえ、多量の通信をするフルブラウザなどは定額外で混雑が発生する理由が皆無だからです。
HSDPA開始時に「速度が今ひとつだな」と思ったら、もうそれまでということです。
また、「とっても快適!」と思っても今後の参考にはまったくならないということです。なぜなら混雑する原因がまったく無いからです。
なお、デモレベルでも実際どの程度の速度が出るかについてはまだ明らかになっていません。
というのも今回の新端末発表では、実際に稼動している端末は展示されず、モックアップだけだったからです。まったくもって実態は謎だらけのHSDPAであります。
結局HSDPA機が実際にデモされたことは一度も無い(有線接続はデモに含めず)ままです。
それ以外には、「ミュージックチャネル」という深夜の混雑していない時間帯に「音楽番組」を自動的にダウンロードする機能がついています。なんというか、AUのアレをすっかり真似しちゃっています。
◆N902iXの良いところ
ツッコミだけでは何なので、良いところも上げておきましょう。
あまり触れられていない気がするのですが、N902iXでは上がり速度が強化されています。
従来のFOMAが最大64kbpsなのに対して、最大384kbpsに高速化されています。つまり容量の大きなメールの送信などに掛かる時間が割と早くなる可能性があります。
注意すべきことは、これはHSDPAの恩恵では決して無いということです。
そもそもW-CDMA(FOMA)は上がり速度384kbpsを実現できる能力があったのですが、今までの端末ではこれがkbpsに制限されていただけで、ようやく今回「フルスペック」の端末が出た、というだけのことです。
しかしながら、これはサイズの大きいメールが好きな人にとってはかなり重要な改良点なのではないかと思います、写真とかムービーとかをメールで送ることが多いような人たちにとってはそうでしょう。
また、混雑次第なHSDPAと違ってこちらの高速化は確実だと思われますので(たぶん・・)。
ですから、当初はHSDPAの恩恵にあずかれないエリア外の人たちも購入する価値はあるとは思います。
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さて、非常に地味なスタートになりそうなドコモのHSDPAですが、いったい今後どういう形になるでしょうか。
案外とN902iXの発売延期に継ぐ延期とか、販売が限定的過ぎて誰も手に入れられていないなんていう展開になる気がどうもします。嫌な予感で終わればよいのですが。
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