861 ドコモのFOMAが全機種GSM対応予定、は誰のため?
最近FOMA関係で色々な発表がありますが、その中の一つについて。
◆世界で使えるFOMAへ
将来、FOMAは全機種「GSM」に対応するそうです。
GSMというのは日本以外の世界の大半で使われている「第二世代」の通信方式のことです。
で、FOMAはそのうち全機種が「W-CDMA/GSMの両対応」にするんだそうです。
つまり将来は、ドコモの携帯を海外に持ち出したときにはGSMモードで使えば、ほとんどどこの国でも使えるようになるという事のようです。また、海外でもiModeをサービスしている国があるので、そこでは現地のiModeも使えるとの事。とはいってもあんまり意味無さそうですが。
「世界で使えて自宅が(以下略)」の某キャリアがありますが、世界で使えるの代名詞はこのままだとドコモのものになりそうです。
ソフトバンクモバイル(ボーダフォン)のウリはまた一つ削られます。本当に大丈夫でしょうかソフトバンクモバイル。
◆しかし
全機種対応(あるいは「対応して無いと売らせません」と端末メーカーに言い渡す)というのはドコモらしいやりかたなのですが、問題は全機種対応する意味があるのかということです。
ボーダフォンのときに散々に言われたことですが、日本で使っている携帯電話を(高額の通話料を払ってまで)海外でそのまま使いたい、なんていう人はどのくらい居るのでありましょうか。
実質使わない機能を搭載して他社と差をつけているだけにも見えなくありません。GSM対応がコストアップになるのなら、ドコモ利用者は(またもや?)ドコモの無駄戦略に間接的にお金を支払わされている形になります。
とりあえず、客の側からすると全端末対応する意義は良くわからないし、もし「ドコモは世界で使える!」なんていうCMをどんどん打つというようなことになったら、「誰に向かって商売しているの」といって差し支えないような気がします。
◆世界戦略?
ボーダフォンは先に似たようなことをしていましたから、今回の件については割と参考に出来る可能性があります。
ボーダフォンは「世界はもはや圏外でない」というCMをやっていましたが、「私にはあんまり関係が無い」とみなさん思ったようです。そしてもう一つ「世界で」に関して、TSUNAMIプロジェクトというものをやって失敗しています。
これは、ボーダフォングループで端末を世界共通にしてコストダウンしようという試みでした。端末を共通にするということは、結果として世界で利用できる端末を用意することになります。
ドコモのW-CDMA/GSM端末も日本のユーザにアピールしたいのではなくて、「ドコモに端末を売っているメーカーが端末を世界で販売できるようにするため」に考えられた可能性があります。
そして、その通りだとすると、ドコモのユーザはまた関係ないことに巻き込まれているような形になります。
そしてボーダフォンが苦労したように、「端末の世界展開」は上手く行かない可能性の方が高いと私は思います。結局日本向けには日本向けに無駄が無いように作り、海外のマーケット向けには海外のマーケット向けに無駄が無いように作った方が良いのではないでしょうか。日本の端末が特異だからですが。
本当は、W-CDMA/GSMではなくて、W-CDMA/PDCの端末こそドコモユーザが欲して止まない端末のはずです。FOMAにするかどうするか悩んでいる人は沢山居るはずだからです。
PDCの利用者を減らしたいのかもしれませんが、結局DNSで実質mova利用者に戻ってしまっている人を結構見ます。
全機種GSM端末にする意義ってあるんでしょうか?
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