875 ドコモ必殺の物量作戦が発動?怒涛の基地局整備で力技の定額?それとも?
どうにも忙しくてこまっているブログ主です。
今日はかなり疲労しながら記事を書いていたりします。
記事を書いてお金がもらえるなら良いのになあと思いつつ(そんなことをしたらもっと忙しくなる?)
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ドコモが物量作戦に出るような予感のニュースが立て続けにでてきました。
・基地局大増設
新聞などによりますと、FOMAの基地局を大量に設置するとかで、「2006年度に一兆円弱(9000億円)をかけて基地局1万局」、だそうです。
・帯域追加
そして、東京・名古屋・大阪の人口密集地限定ではありますが、1.7Ghzの免許がドコモにおりました。
東京・名古屋・大阪でドコモは新たに5Mhzの帯域を手にする事になります。
1.7Ghzのサービス開始は6月1日という事になっています。
総務省、ドコモに1.7GHz帯東名阪バンドを割当て
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/28273.html
さて、以前の記事で、
→904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
ドコモはHSDPAをサービスインしたとて帯域的にゆとりの無い状況なのですが、基地局を沢山作る(つまり力任せの物量作戦)にでたらどうなるかわかりません、と書きました。
で、なんというか物量作戦が発動しつつのかもしれません。
◆1.7GHz帯東名阪バンド
まず、「1.7GHz帯東名阪バンド」によって、最も混雑すると思われる三大都市圏は、現在の5Mhz×3から5Mhz×4へと利用可能帯域が増えます。実のところ劇的に増えるわけでもありませんが。
あるいは1.7GHzを敢えてHSDPA専用にしてしまうなら、現在の2Ghzの基地局配置をそのままにしたまま(つまり今の基地局を調整したりする苦労をせずに)HSDPAを始められる事になります。
(だけれど、電波特性の良い1.7GHzをHSDPAだけに使ってしまうのはもったいない気がしますが)
つまり、ドコモはHSDPA専用帯域を用意できるかもしれないという事です。
◆巨額投資
一兆円弱(9000億円)をかけて、基地局を一万局増設だそうです。しかも、2006年度だけで。
ボーダフォンの買収予算が一兆7500億円で、あのソフトバンクですら資金調達に困る金額だったわけですが、ドコモは何事も無くFOMAに一兆円の新規設備投資をするわけです。ドコモは儲かっているにもほどがありますね。
巨額な総額に目が行きますが、基地局一箇所あたりの価格もなかなかです。
約一兆円でおよそ一万局なのですから、なんと一箇所あたり一億円という事になります。
はっきりとマクロセル(大きなセルサイズ)で基地局を設置しているAUと違い、FOMAはセルサイズを小さくしているとは言われますが、この金額を見る限り、基地局を多いけれど基地局が安いわけでは無さそうです。
基地局の多さを特徴とするウィルコムの基地局は数百万円程度だと言われますし(他に余分な費用がかかったとしても一千万円はかからないでしょう)、ウィルコムの小型基地局やナノセルは百万円を切っているとも聞きますから、ウィルコムに換算すると・・・もしかするとウィルコムの今稼動している基地局全ての設置にかかった費用よりも高いのではないでしょうか・・・ドコモのたった一年分で。
ドコモの資金力は恐ろしいですね。
◆理由
ドコモが基地局を整備しなければならない理由を考えてみます。
・純粋なエリア展開のため。地方、つまり田舎でのエリアの広さで定評のあるmova(ドコモの第二世代)に比べると、まだまだ基地局が足りないという話です。
・収容能力を上げるための基地局の増設。すでにカバーしているところの基地局の密度を増やして(つまりマイクロセルに近づけて)混雑に強くするための増設。
・FOMAの深刻な問題のひとつである、「都市部でスポット的に通信できない」「建物の中で圏外になる」などの対策の為に、都市部でスポット的なエリアカバーを行う基地局の設置。
・HSDPA基地局の増設(これは既存基地局のHSDPA化でも賄えるとは思いますが)。
これ以外に、通信方式が旧式の基地局を取り潰して(初期の規格で作られている基地局は問題があるそうなので)作り直すなんて話もあると思います。
前向きの話題ばかりではないのもポイントです。FOMAの問題点を力技で解消するためでもあるわけです。
ドコモはこれまでにFOMAの基地局を設置費用だけで何兆円も使っているので(当然他の費用も沢山あるわけです)、一体どれだけお金を使えばFOMAは圏外が多いといわれなくなるのやら、という感じでもあります。
基地局の整備費用をそこそこに抑えながら、高品質のサービスを提供する事に成功しているAUとはかなり対照的です。
技術とノウハウがあるはずであり、長年W-CDMAに取り組んでいて、とんでもない資金力がある、いわばW-CDMA陣営で世界最強のドコモですら手を焼いているので、W-CDMAが世界中で広く使われるのは厳しいのではないか、と言われたりもするわけです。
AUは3.5世代の展開すら終えて3.7世代の導入を控えています。
一方ドコモはいまだに第二世代のユーザが大半であり、いまだFOMAはmovaのエリアカバーを超えられず、3.5世代もこれからです。
地固めをするのでしょうか、力技の定額に走るのでしょうか。
さて、ドコモのこの怒涛の基地局整備が向かう先は何でありましょうか。
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