897 「光を通すコンクリート」は 自然界にあるし家庭で自作もできる?
光を通すコンクリートが販売されるそうでございます。
光とおすコンクリート、住田光学ガラスが国内で製造・販売
商品名は「リトラコン」。
ハンガリーのリトラコン社(名前がそのままです)で開発された技術らしく、社長はアロン・ロソンチさん28歳だそうです。なんかすごく正しいベンチャーという気がします。
実現の方法は結構シンプルで直感的にも理解できます。コンクリートのなかに一方向にそろえた「光ファイバー」を沢山埋めこんでコンクリートを固める、という方法です。
たしかに、そうすれば光は通りますね。
これを読んで思い当たることがあったのでポスト。
この記事は、面白い話を一つ書き落としています。
◆自然界に存在する「光を通す」石
このアイディア、単純だけど完全に新しいというわけでもありません。
なんと、「自然界」に似た構造をもった石があります。
「テレビ石(曹灰硼石)」と呼ばれる有名な石があります。どんな石かというと、石の中でガラス質の長い繊維状の結晶が一方向に並んでいる石で、ズバリ石の中に光ファイバのようなものを敷き詰めたような石です。
ガラス質の石なのでなんとなしに光は通さなくは無いのですが、面白いのはそこではありません。
繊維状の結晶がそろっている方向に光を通します、というより「石の表面に石の裏側の映像が浮き出るような感じになる」という不思議な現象が発生します。
「テレビ石」と呼ばれるのは、「まるで石の表面にテレビであるかのように映像が浮き出る」という現象が起こるからです。
この石は売っていれば安いもので、結構不思議です。私もひとかけら持っています。
文章を書いても今ひとつ伝わらなさそうですね。
せっかくなので、その現象を撮影してみましょう。
慌てて撮ったのでいい加減ですけれど。
◆テレビ石
まずは「テレビ石」です。小さいかけらです。(写真はクリックすると大きくなります)
「石に繊維の方向」があるというのが解りやすいように横から撮りました。
厚さは一センチくらいあります。
不思議な現象となれば、日本科学技術大学の上田次郎(笑)。ということで、上田次郎の著書ということになっている日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象の上に「テレビ石」をおいてみました。
どうですか、わかりますか。
石の表面に本の表紙が浮き出ています。
文字の方がわかりやすい印象があるので、文字で撮ってみました。
下にあるのは、ウィルコム使いには超便利な「バッテリーエクステンダー」のマニュアルです(笑)。
浮き出ていることがお解りになるでしょうか。
文字の書いてある紙の上で「石をズリズリ」と動かすと非常に解りやすいので、実物に触れる機会があればやってみていただきたいと思います。
(わかんない人に説明すると、バッテリーエクステンダーはUSB経由で「単三電池・単三充電式電池→ウィルコム電話機」の充電をやってのけるモノでして、愛用しています。
私の書いた記事を読めば大体どういうものはわかるとおもいます。体感上電池の持ちが四倍以上になっている気がします(持ち運ぶ限り電池切れ皆無)。
バッテリーエクステンダーII 購入記
世界初、バーチャ バッテリーエクステンダーII (お馬鹿なことをやっています))
ついでにこれも。
◆建築家が使うなら
この「リトラコン」を購入するのは建築家の方だと思うのですが、そうであるなら光を通すよりも「像が浮き出る」性質の方が面白い性質です、あるいはこの現象を知らないで家を立ててしまうと予想外のことになって困るかもしれません。
建築模型はテレビ石を買ってきて代用すれば多少はイメージできるのかな、と思ったりします。
斬新な建築を作って居住性を犠牲にするデザイン優先の建築家の方々、そして実際には立てないのでやりたい放題の建築学科の学生は要注意です、これは光を通す素材というより表面と表面を光学的に繋ぐ素材です。
#「表面と表面を繋ぐ」とは建築コンセプトの屁理屈にも有用であります。
◆人工的に作られたテレビ石もある
ハンガリー人よりも自然現象の方が先だったと言うことはこれでわかったわけ(違う?)ですが、テレビ石のような者を人工的に作ることも普通に行われているようです。
それどころか、パナソニックのウェブサイトに、テレビ石(のようなもの)を作ってみようという子供向けコーナーもあります。
http://www.discovery.panasonic.co.jp/science/experiment/tvstone/index.html
だけど光ファイバーを持っていないと作れない実験なので一般家庭では無理です(笑)。
光ファイバーが用意できれば、光を通す木材とか光を通す羊羹とか、何でも作れそうな気もしてきました。
しかも調べてみると意外にもネットで売っています。
しかも楽天で売っていました。
テレビ石も売っていました。
私が持っているのは百円だったか二百円だったか程度で買ったものなんですが。
ひとかけらくらい持っているとこうやって話題に出来たりして面白いのですが、ネットでも売っているということにちょっと時代の進歩を感じました。
よくみると同じところで光ファイバーも売っていました。
光ファイバー0.5 1500本
テレビ石自作向けの光ファイバ需要は結構あるのかもしれません。意外な世界があるものです。
ついでに、
一応書いておきますけど、これはリアルなトンデモ本でもトンデモ批判本ではなくて、かの有名なドラマ「トリック」の劇中出版物を現実に出版したというギャグ本です。
ちなみに内容は上田次郎の自慢が延々続くという・・・(笑)
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