921 「クオリティの『悪い』商品」のクオリティの高さについて
いやいや、”クオリティの高い「クオリティの『悪い』商品」”というのは確かに存在しています。
狙って作れないし、流行させることができないので稀有の存在です。
そういうポリステとか富士AIREとかについて。
◆ジュースが二本出てきたら
メイドインチャイナというと「安かろう悪かろう」もので、クオリティの悪いものは人々に幸せを与えられないと思っていたが、今日初めてまんざらそうでもなさそうだと感じた。それは筆者の生活の中での話、つまりは中国某地方都市の話。
自販機というのは黒子であって、それ自体意識されないのが合格。
自販機に「ジュース二倍モード」なるものがあっても使わないだろう。しかし、「あれ?なんで二本出てきたんだ?」となるとなぜか妙に嬉しい。
こういうのは冷静ワールドでは「故障」と呼ぶはず・・・しかも現地の人は普通に「故障」としか思っていなさそう。
でもそういうことは世の中沢山あるわけです。
メイドインジャパンというのは、こういうのを史上稀に見ないほど徹底的に「故障」と考えることで出来上がったブランドのことで、日本は当然それに覆い尽くされている。だからオルタナティブに思えてしまうのだろうか?
以下「クオリティの悪い商品がときに消費者に喜びをもたらす」例について無駄に列挙。
◆ファミコンの話題
ファミコンのゲームには名作が沢山あるにもかかわらず、そういうゲームを押しのけいまになっても話題にされるスペランカー。
下り坂でジャンプしただけで命を散らす、どこか職業選択に関して致命的な間違いを犯した観のある脆弱な探検家が、財宝を求めてクスリキメて洞窟の奥へと突貫し、華々しく散る。哲学的な姿すら我らに垣間見せるアクションゲーム、「スペランカー」。何故このゲームが今日、ここまで有名になったのか。
こっちなんかは画面写真が懐かしい
エレベーターから降りるときにちょっとジャンプしただけで死亡、隠しアイテムをとってパワーアップしてジャンプしたら死亡、とっておきとしてコウモリの糞にあたっただけで死亡です!
おまけに「スペランカー」は共通に知られすぎて形容詞と使われる始末。
この多村選手は、弱小球団横浜にあって人気実力とも兼ね備えたスター選手なのだが、いかんせん身体が弱い。ちょっとしたこと(写真撮影でジャンプとか)で骨折したり、すぐに風邪を引いたりすることで有名だ。ファンの間では「スペランカー体質」とまで揶揄されている。
「横浜ベイスターズそのもの」が既にスペランカーと同じカテゴリの存在ではありますが。
「スペランカー」は楽しくてしょうがない話題なわけで、スペランカーを語るときには必ず和みが存在します。
冷静ワールドでは不良品なのに。
◆ポリステ
話を中国にしましょう。
ダウンタウンの悪ふざけ番組「ワールドダウンタウン」で一躍有名になった「ポリステ」ことPolyStation。
「ワールドダウンタウン」は悪ふざけが過ぎたのか突然の打ち切りになってしまいましたし、DVDなども発売されていないので見た人しか知らないという「ポリステ」。
実際に「ポリステ」を手に入れたというブログがありまして、
前編
→これ以上何を失えば パクリは許されるの?
後編
→鳴かぬなら バグらせて笑おう ポリステ2
もう笑い転げるしかないほどの衝撃なわけですが、当然「現地」では「故障」扱いされているに違いないわけです。
日本でだからこそ成り立つ笑い。
中国にはポリステ並みの衝撃が多数眠っているに違いないと思うわけです。しかも、当地では単なる「故障」扱いで。
◆富士AIRE
知らない人は読んで笑い転げて欲しい富士AIRE
http://www9.plala.or.jp/pandanotasogare/dvd.html
マレーシアのダメなDVDプレーヤーをネタにしたページです。
で、ちょっと面白いのは
後日、正しい日本語表示にするファームウェアが開発されて日本語表示が正常になったけれど、「前の表示に戻してくれ」という要望が沢山出たために「前の表示に戻すファームウェアをわざわざまた提供した」という話です。
そりゃそうだ、だって商品価値が台無しですから。
むやみに「ビジネス」を連呼するブログは嫌いなので、私はこれをネタにビジネス屁理屈をこねたりしませんが(実際、変な屁理屈を発明しても意味がないし、この「楽しみ」にたいして失礼)、
なんか新しい商売が存在している。
ということを再度確認するものであります。
だけれど
・日本(など)でしか成立しないし
・ニッチ過ぎるし
・そもそも構造的に世の多くにはなり得ないし
・「狙えない」し(狙うと大抵ばれるし、ばれると大変なことになるであろう)
というわけで商売という感じでも無いですかね、いやいや。
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