942 星野vs井川騒動の続き
星野仙一さんが、『星野仙一のオフラインリポート』での井川騒動について新しい記事を載せている。
それについてちょっと書いてみようと思う。
私的には、
945 星野vs井川の「伝説」対決
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2005/11/945_with__vs_0a5d.htmlの続きとなる。
◆論調が変わっている
まず、肝心の記事だが随分と論調(あるいは話のポイント)が変わってしまっている。
原因をちょっと考えてみると、星野さんの口述のものを記事にしていたためにズレが重なってこうなってしまった、あるいは、最初から感情的な話をする人なので話がずれるのが恒常的なのかもしれない。
星野仙一のオフラインリポートより引用
http://hoshino.ntciis.ne.jp/
週末の「井川についての話」はネタ枯れのスポーツ紙をすっかり喜ばせることになっちゃったわい。 (略) 「お前ら、人のホームページばっかりのぞいて原稿作るな」っていったんや。 (略) 本当のところをいったり、波風が立つようなことをいうとすぐに、やれ辛口だの、立場を越えてのいい過ぎだのと抵抗感を持たれたり、ことなかれ主義の反論が出てくるのが通例かもしれないが、それがもうひとつ深く考えたり、もうひとつ真剣に意見を戦わせたりするきっかけにもなる。ぶすぶす、ぶすぶす、くすぶっているものが活力を持って動き出すきっかけになったらええやないかと思う。 (略) 今年はこのページでも前半戦が駄目だったら後半戦、後半戦も駄目だったら日本シリーズでと、井川に期待を込めてハッパをかけるたびにみんなにも「甘い、甘い」って随分反論されたけれど、 (略) タイガースで頑張る決意を固めるにしても、願い通りにメジャーに挑戦するチャンスを得るにしても、井川にも重大なところだし、正念場だし、会社にしても大変大事な懸案だ。だから球団には心配をかけるところがあったかもしれないが、あえてど真ん中へ“一石”ということだ。 (略) ものごとに100パーセントの正解はない。100パーセントの正解ということはむずかしいわけだけれど、その「正解」を求めて、少しでもそこに近づいて、少しでもそれに接近していくということが大事なんじゃあないの、個人にあっても組織においても。「井川についての話」はそういう議論じゃ。
前回の星野さんの記事の主張は、「井川はチームの精神衛生上よくないような自分勝手な困った奴だ、なんだからチームに引きとめなくともよい。大リーグに出してしまえ。」というものでした。
まず、マスコミが必要以上に騒いだのにご立腹のようです。
マスコミがというより「星野が外野で騒いでおる」という人たちが気に入らないのでしょうか。
まとめると「俺がみんなが言わない本音を言った、議論に一石を投じる為に」、こんな感じでしょうか。
みんなの本音の代弁なのか単なる暴言なのか意見が分かれるところでしょうけれど。
「外野で騒いでおる」という苦情に対して、「議論に一石を投じたのは、みんなの為になるようにと考えてゆえのこと」、
それ以外の意見(私の前回の記事もこの分類か)は「俺の言いたい事とは全然違う話しだぞ」という感じでしょうか。
私の前回の記事で、星野さんは要するにオールドタイプなのだと書きました。
集団への情念とか上下とか礼儀とか筋論とかみんなの和を乱す乱さないとか根性とか、そういう風に物事を考えてしまう人。
前回の記事で、星野さんの才能とはケツを蹴り上げる人なのではないかと書きましたが、つまり情念とか・・・を組織にたたきこむ憲兵のような存在なのでありましょう。
そして、井川はそういうものを完全無視しております。
しかし、大事な事は、井川は野球そのものを愛しており、星野流の『根性』は無視だけれど、努力は惜しんでいないこと。そして、井川の努力は湿っぽいものではなく、本人の野球への愛ゆえの努力。
星野さんのような思考回路が日本には大きな存在としてあり、集団内での変な精神的なもたれあいと相互自己犠牲を正常なものとする空気があると思います。
これを乱すものはなんと呼ばれるか、
「和を乱す」「根性が無い」「礼儀を知らない」「自分勝手である」「ドライなやつ」
そういう人は、超絶非常識なやつか冷血利己人間であると言われがちだと思います。
星野さんの今回の記事での、自身の前回の記事についての総括も、ここで今書いている意味で「星野的」だと言えるのではないかと思いました。
「もたれあい」を前提にしないと星野さんの今回の主張、成り立たないからです。
今、村上ファンドなどやらで、球界の古い体質や不合理な体質がいろいろ言われていますが、
星野vs井川にこそ解りやすく問題の本質が現れているような気もします。
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