926 GoogleMapsでバグラム空軍基地が「一見」丸見え / GoogleMapsの妙な説得力
ちょっと前になりますが、グーグルマップス(GoogleMaps)やグーグルアース(GoogleEarth)が鮮明すぎるというので、国家的に鮮明に見えてもらっては困る事まで一般公開されて困る、と
→インド大統領、『グーグル・アース』の衛星画像に懸念表明
世界各国で不満の声があがっているというニュースがありました。
これについての続きです。
◆アフガニスタンの「バグラム空軍基地」が(一見)丸見えの衝撃
どうしてもこういうニュースは机上の「べき」論になってしまって、実態はどうなのだ、というところから話が浮きがちです。
そこで、一度正反対に「直感的」に理解できる例を出してみましょう。
見えるというのはどういうことなのでしょうか。
アフガニスタンの最重要基地とも言える「バグラム空軍基地」をGoogleMapsで見てみましょう。
→http://maps.google.com/maps?ll=34.946423,69.260505&spn=0.004027,0.004862&t=k&hl=ja
どうでしょうか、確かに大変に鮮明です。
しかも、上記のURLは鮮明さの限界ではなく、まだ一段階解像度を上げることができます。
「+」を押して見てください。もっと拡大されます。
私はこのあたりの話に詳しい人間ではありませんが、それでも「滑走路に駐機してあるのがどういう機種か」すら推測できてしまいます。
真ん中にはA-10らしき飛行機が映っています。南にはアパッチなどのヘリ、北の端には輸送機。
小さい飛行機らしきものは私にはよく解りません(押収したミグ?)
施設の配置や周辺の地形なども完全に解ります。
この関係の話題に詳しい人なら、建物それぞれや通路それぞれがどのような機能を持っているかまで推測できるでしょう。
どうでしょう、ビックリではないでしょうか?
世界各国で不満が出たというのは直感的に理解できますね。
しかし。
◆もっともらしく見えるものが必ずしも真実ではない
確かに私達はGoogleMapsで何かを「見ました」。
ありえないほど詳細で鮮明な画像なので、この場所の事をかなり解ってしまった気になったかもしれません。
しかしそんな事はありません。
来週もう一度、GoogleMapsで同じ場所を見てください。
この記事にもう一度来て、もう一度URLをクリックするだけです。
見てどうでしょう。
飛行機は、同じ位置にありませんか?
さて、飛行機はどうして同じ位置にあるのでしょう。
当たり前ですが、同じ写真をずっと表示しているだけだからですね
考えましょう。
これは何時撮った写真でしょう?
誰が撮った写真でしょう?
いつまでこの写真が「この場所の画像」として公開されつづけるのでしょう?
写真の公開にクレームがついて、部分的に不鮮明にされていたり修正されていたりしていたらどうでしょう?
あるいは、最初っからウソだったらどうしましょう。
最初見たときには「丸見え」に見えたかもしれませんが、だんだん怪しくなってきましたね。
もしこれが、紙に鉛筆で書かれた「配置図」みたいな感じだったなら、最初から参考程度にしか思わない事でしょう。逆に、もっと詳細な情報が含まれた文字情報があっても、あまりリアルではないと思ってしまうかもしれません。
もっともらしく見える物は必ずしも真実ではありませんし、そんなことは当たり前です。ですから、この記事はごくあたりまえの事しか書いていません。
しかしそんなことは重々解っていても、いったんよく考えないと「もっともらしいもの」を真実に近いと思い込んでしまいます。これがただの写真だという事は最初からみんな知っているわけですから。
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